同社が2022年にローンチした月経妊活アプリ「flora」は、研究機関や産婦人科医と共同開発したAIを用いて、女性の健康に関する正確で安全な情報提供やアドバイスを行うサービス。現在約7万ダウンロードを達成し、日本のフェムテック界に風穴を開けている。
4カ国語を操る彼女ならではのアンテナで、海外の優れたテクノロジーやトレンドを取り入れながら成長するFlora。「日本のフェムテック市場にイノベーションを起こしたい」と話す彼女に、日本で挑戦する理由を聞いた。
——アンナさんはウクライナのオデーサ国立大学を卒業後、2017年に文部科学省の奨学金を受ける形で京都大学に留学しました。留学のきっかけは。
日本に留学した理由はいくつかありますが、一番は「空手」です。
実家の隣に空手道場があるのですが、物心ついたころからそこに通っていました。16歳の時にはウクライナ代表として空手の世界大会に出場できるまでになり、オリンピック出場を目指すなかで、空手の練習ができる環境のある日本に留学したいと考えました。
清水希容選手に憧れていたので、同じ大阪の道場に通おうと関西の大学を選んだんです。
とはいえ私は空手一筋ではなく、好奇心旺盛な性格もあって昔から勉強も好きです。空手以外の職業であれば、外交官になりたいと思っていたので、京都大学では法学部で国際政治を学ぶことにしました。
——まさに文武両道ですね。もともと「起業」にも興味があったのですか。
いえ、起業はまったく考えていませんでした。ただ、自分自身の環境の変化をきっかけに考えるようになりました。
日本では1年間語学を学んだあと、京都大学に入学。勉強をしながら大阪の道場に通いました。そして大学1年の夏、東京五輪への出場をかけた選考があったのですが、私は必要な戦績を残せませんでした。
空手は東京五輪の開催都市枠で実施された種目だったので、次にいつ出場チャンスがあるかもわからず、私は夢を諦めることにしました。
当時はとてもつらくて、その後の人生をどう生きていけばいいのか悩み、ボランティア活動やサークル活動など、とりあえずいろんなことに挑戦しました。そのなかのひとつがビジネスコンテストで、初めて参加したときに「おもしろい!」と感じたんです。
それからあらゆるビジコンに応募して、2019年の京都大学のリーダーシッププログラムに採択されます。そこでシリコンバレーや東海岸に3週間の短期留学に行かせていただきました。
現地では、スタンフォード大学やGoogle本社などを訪問。Googleでは、地位も年収も高いシニアエンジニアが「独立して起業したい」と話していて、すごく驚きました。
なぜわざわざ独立するのかと尋ねたら、「Googleは会社の規模が大きすぎて、自分が会社にどれくらい貢献できているのかが実感できないから」と。留学中に同じような話を聞く機会がたくさんあり、自分も起業してみたいと思いました。