起業家

2023.07.12 08:30

ウクライナ出身の留学生が起業 日本の「フェムテック」を一歩先へ

——今後どのような成長戦略を描いていますか。

Floraはさまざまな観点から女性をサポートするエコシステムの構築を目指しています。

そこで、アプリ「flora」による個人のサポートでデータを蓄積して「FemTech Big Data」を構築し、それを企業や自治体で活用するビジネスも進めています。今年度はすでに、大手企業約30社からオファーをいただいています。

具体的には、働き方改革の促進や女性活躍のサポートです。例えば生理痛ひとつとっても個人差があるため、女性同士でも共感しにくい場合があります。私たちは具体的に労働損失額を示し、経済的人事ロスを可視化して、改善のKPIを設定して解決策を一緒に考えます。
 


現在フェムテック市場では世界を見渡しても女性の生涯にわたるデータアセットがありません。

「どのような生理の課題が不妊に影響しているのか」「子宮内膜症はどれくらい更年期障害に影響しているのか」、こうしたことは、医療分野でもまだ解明されていません。私たちが、そのギャップを埋める一助になりたいと思っています。

そのためには、現在の「flora」による月経と妊活のサポートのほか、初経から更年期までの女性をサポートする商品を、それぞれのステージごとに開発していきたい。ほかにも、例えば人種によって抱えるリスクが異なる可能性もあるので、そうしたニッチなケアを行っている企業との連携も考えています。

とくにフェムテック分野は世界を見ると取り組んでいるスタートアップが多いので、世界中の企業と協力していきたいですね。

Floraがプラットフォームとして国内外のさまざまな企業をつなぎ、年齢や人種などあらゆる要素を重視しながら、その人に合ったケアを提供するエコシステムになる。それが私たちの目指すところです。いつかは母国ウクライナの女性たちにも貢献できるように、頑張ります。

文=久野照美 取材・編集=田中友梨 撮影=小田光二

タグ:

連載

FUTURE TALENT PORT

ForbesBrandVoice

人気記事