ファッション

2023.07.15 09:00

現役慶應生の授業から誕生したビーチサンダル・プロジェクト

谷本 有香
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「小さなお出掛け」のポテンシャルに挑戦中

今回、新色モデルの発売にあたり、初めてのWEBサイト作りにも挑戦し、特設サイトも自ら作成した。「実は、このWEBサイト作りにとても苦労して、多くの時間を割きました。趣味でSNSに投稿する作業とは全く違い、掲載する写真やアイコンひとつとっても悩んだり、やり直したりと試行錯誤の日々だったんです」。

そんな苦労が身を結び、6月23日にメンズのフリーサイズ(26〜28cm)の発売にこぎつけた感激は、ひとしおだ。しかし、これで業務完結と思いきや、ギョサンの可能性を見い出した小林は、早くも次なる展望をスタートさせている。

「ギョサンは、金属で作った型の中に、溶かした発泡材を注入して冷やし固めて作るのですが、この製法を活かしたレディースの展開を試作中です。メンズとレディース両方が揃い、サイズ展開も増やす事で、より多くのターゲットの方にギョサンの素晴らしさを広めていけたら!

また、ビーチサンダルは海で履くアイテムというイメージを変えていきたいです。将来的には、街で履くライフスタイルが定着すればいいな、と思っていて。確かにビーチサンダルはカジュアルなアイテムですが、夏は涼しく、靴下を履いたり靴紐を結んだりする手間を必要としないメリットが。本当は、とびっきりのお洒落をする時に履いて欲しい気持ちはありますが(笑)、現実的には、学生なら授業や飲み会など、小さなお出掛けに愛用するポテンシャルを高めるべく、目下挑戦中です」。

ネットワークを運営する学生起業家とは相対する業界へ

大学の研究室の先輩や同じ授業を履修している知人には、起業していたり、企業と一緒にプロジェクトを行っている者が多い。彼らは、アプリやネットワーク運営を手掛けている事が多いと聞く。しかし今回、小林が挑戦した業界は、50年以上続くファッションアイテムの再構築。ネットで服や小物を買う人が多い現在、ショップで買う事にこだわる小林だからこそ、日本のいいモノが傾斜産業にならぬようにと危惧して、今回のプロジェクトに並みならぬ想いを持った。

取材の最後に、新生「ギョサン カリプソ TYPE-T」の産みの親として「どのように身につけて欲しいか?」という問いに対して、即座に、そして流暢に返ってきた回答に未来が垣間見えた。

「ちょっとオーバーめなTシャツやストライプシャツに、ゆるいシルエットのパンツやカーゴパンツが合うと思います。SUMIは落ち着いた色味でコーディネートをぐんと引き締めてくれるので短めのショーツとも相性抜群。KINARIは、白に近い無垢な色がアクセントになっているので、淡い色のブルーデニムに合わせるのがお薦めです!」。

文=中村麻美

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