この曲は、スフィフトの元恋人のジョー・ジョナスと当時のガールフレンドで女優のカミーラ・ベルについての曲だと噂されており、オリジナルの歌詞には「She’s better known for the things that she does on the mattress(彼女は女優の仕事よりも、ベッドの上でやっていることのほうが有名だ)」というフレーズがあり、女性蔑視的に聞こえるという声があがっていた。
しかし、新バージョンでは「He was a moth to the flame / She was holding the matches(彼は炎に吸い寄せられる蛾だった/彼女はマッチを握っていた)」に変更されている。
スウィフト自身は、歌詞を変えた理由を説明していないが、SNS上でのファンの意見は割れており、この変更を前向きに捉える声があがる一方「ミソジニー(女性蔑視)バージョン」や「スラットシェイミング(女性のふしだらな行為を晒し上げる)バージョン」と呼ばれているオリジナルを残しておくべきだったという声もあがっている。
スウィフトは、版権問題を受けて過去の一連のアルバムの再録バージョンをリリースしており、今回の『Speak Now(Taylor’s Version)』は、その3作目となる。彼女は、デビューアルバム『Taylor Swift』から6枚目のアルバム『Reputation』までを再レコーディングする計画だ。
スウィフトは2021年に、音楽業界の大物であるスクーター・ブラウンが、彼女の同意なしに最初の6枚のアルバムの権利を取得し、後に他社に売却したことに対する反撃として、再録アルバムのリリースを決定した。
ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデ、カニエ・ウェストらのマネージャーを務める音楽マネージャー、スクーター・ブラウンは彼のファンド「イサカ・ホールディングス」を通じ、2019年6月にスウィフトの過去アルバムの原盤権を取得した。イサカ・ホールディングスは、スウィフトが2018年まで所属したビッグマシン・レコードを、3億ドル(約426億円)で買収している。
スウィフトはこの買収に激しく反対し「最悪のシナリオ」と表現していた。その後、楽曲の権利は彼女が知らない間に、さらに別の投資会社に売却され、スウィフトは、これらの曲を再レコーディングすることを決定した。
スウィフトは、昨年10月にアルバム『Midnights』をリリースした後、ビルボードのHot 100で上位10曲を独占した史上初のアーティストとなっていた。
今回のアルバムについてスウィフトは「ここに収録された楽曲は、私が18歳から20歳までの若い女性として生きていた時代の気まぐれや空想、心の痛み、ドラマ、そして悲劇について書いたものです」と、インスタグラムの投稿で語っている。
(forbes.com 原文)