スレッズは、驚くほどシンプルで飾り気のないアプリだが、ソーシャルネットワークのローンチにおいて、かつてない成功をおさめた。このアプリは、一体どうしてこれほどのスピードで成長しているのだろうか? その要因としては、以下の8点が考えられる。
1.メタの信用力
イーロン・マスクの指揮下で、ツイッターは過去9カ月間に渡って内部崩壊を続け、多くのユーザーがMastodon(マストドン)やDiscord(ディスコード)、Post(ポスト)、cohost(コーホスト)、Bluesky(ブルースカイ)などの代替サービスに乗り換えた。この結果、これらのサービスは一時的に盛り上がりを見せたが、その後人気は急落している。これらの企業に比べ、メタには高い信用力がある。同社は、フェイスブックやWhatsApp、メッセンジャー、インスタグラムを合わせて40億人以上のユーザーを抱えるプラットフォームを運営しているのだ。
メタはソーシャルサービスを熟知している。規模を拡大したり、成功するプラットフォームを自社で構築するだけでなく、買収する方法も理解している。これまで多くの失敗をしてきたが、同社が始めたサービスは大きな注目を集めているのも事実だ。
2. 「コールドスタート」の解消
新しく立ち上がったソーシャルアプリやプラットフォームは「コールドスタート」と呼ばれる大きな問題を抱えている。つまり、ユーザー登録をしても、最初は友達がおらず、フィードにコンテンツが表示されない。メタは、インスタグラムをスレッズの基盤にすることでこの問題を解決した。これにより、最初から友達やコンタクト、コンテンツがあり、インスタグラムに友達がいれば、スレッズ上でも活気あるソーシャル・グループが存在するのだ。3. デフォルトのアルゴリズムフィード
多くの人は認めたくないかもしれないが、ツイッターのアルゴリズムフィードは、フォローフィードより優れていることが多い。スレッズのアルゴリズムによる自動フィードも、インスタグラムのグラフをすべてインポートしていなくても、初日から関心のあるコンテンツが表示される。フォローした人だけをフィードに表示させる方法もあるが、設定方法はわかりにくい。洗練されたソーシャルユーザーは嫌うだろうが、ユーザーにとって関心のあるコンテンツが表示されるのは良いことだ。メタは、このことをフェイスブックとインスタグラムでの経験から学んだ。それは、TikTokと競争する中で学んだ厳しい教訓だといえる。