下弦の月は月観察に最適だ。望遠鏡か双眼鏡があればさらによい(NASA)
7月10日・月曜日:下弦の月
7月10日、月が下弦を迎える。下弦の月は深夜に昇り、それは夜空を月光が照らさないことを意味している。7月12日・火曜日、13日・水曜日:マンハッタンヘンジ
「マンハッタンヘンジ」は、毎日移動する日没の位置が、きれいに高層ビルの間になる現象だ。マンハッタンの道路が方位に沿って格子状に走っているために起こる。毎年5月に2日間、7月に2日間起きる。ニューヨークにいる人は、7月12日午後8時20分と7月13日午後8時21分(EDT、東部夏時間)に西を見て欲しい。ただしその前に、アメリカ自然史博物館ウェブサイトにあるガイドを見て、どこから見るべきかを調べておこう。7月13日・木曜日:三日月とすばる
輝面比10%の極細の三日月が日の出の数時間前に昇り、「地球照」を見せながらすばる(プレアデス星団)のすぐ近くを通る。木星も右上に姿を見せている。7月15日・金曜日:水星が昇る
「敏速な惑星」である水星が西北西の空に見える。ただし、薄明に地平線のすぐ近くを見ないと視界から消えてしまう。7月19日には水星と細い月が大接近する。新しい月に抱かれた古い月
7月15日・土曜日:新しい月に抱かれた古い月
この日の日の出前に見える輝面比5.5%の美しい三日月。この時期の月を「The Old Moon In The New Moon’s Arms(新しい月に抱かれた古い月)」と呼ぶことがある。地球照(地球に反射した太陽光が月の暗い部分を照らす)を表すロマンチックな表現だ。左上には明るい恒星であるカペラ、右上にはすばる、そして木星も見える。7月16日・日曜日:金星とレグルス
日没後の西の空に、明るい金星(夏の空から消えつつある)が、しし座で最も明るい太陽系から約79光年離れた恒星レグルスと接近する。双眼鏡の同一視野内で両方を見ることができる。今週の気象現象:夜光雲
あなたが北緯50度より北に住んでいる天文家なら、7月は1年で最悪の月だろう。真の暗闇は決して訪れないが、それでも良いこともある。地平線から約6度より沈むことのない太陽は、上層大気を照らし続ける。ときとして、その光が「夜光雲」を捉える。夜光雲は水滴とちりが合わさって凍った氷結晶の産物だ。薄明に細くたなびく雲は幽霊のように見える。7月夜は光雲のピークなので、ベッドに入る前に北と北東の空を見て欲しい。各地の日の出/日の入り、月の出/月の入りの正確な時刻については、気象庁のウェブやこちらのサイトなどを参照して欲しい。
(forbes.com 原文)