しかし、そんな調子で、真剣に自己の根源的なトレードオフに向き合うことを怠っていると、いざ極限の場面で自分の行動に驚くことになる。
裏を返せば、数々の意思決定の修羅場を潜り抜けた人たちに共通する「余裕」のようなものは、富とコントロールという究極の二択を通じて、自分の根源を覗き見たことにある。
あなたの身の回りにいる修羅場経験者の顔を思い浮かべて欲しい。彼ら、彼女らは、自分は何のために意思決定をするのか、それが解像度高く把握していることに気づくはずだ。
さて、あなたが求めるのは、富なのかコントロールなのか。そして、あなたが求める富の正体は一体何なのか。あなたがコントロールしたいことは何なのか。
自分が意思決定者という立場に立つ以上は、このトレードオフに対して、地に足のついた答えを出しておく必要があるのだ。
連載:「意思決定」のための学びデザイン