確かに、友人とテキストし合うことはできるが、それは閉じたネットワークだ。ツイッターでは、自分の些細な考えを共有することが、ネット上で騒ぎを起こすような行為や暴言、嫌がらせ、絶え間ない論争といった大きな問題を引き起こしてきた。
精巧に合成された写真(その多くはストック写真サービスのものだ)やマーケティング会社が制作した映像など、誇示や派手な宣伝をすべて取り除くと、ほとんどの場合、的を得た発言やミームを共有しているただ1人の人間だけが残る。
そして今「Threads(スレッズ)」がある。
私はここ数日、他の人たちと同じようにこのアプリを試している。今のところ、投稿のシンプルな仕組み、スレッド化された会話、スレッズの登場に興味を持つ人同士の礼儀正しいやりとりに感心している。
スレッズはツイッターにかなり似ていて、少し怖いくらいだ。ツイッターをここまで恥ずかしげもなく真似ているアプリを、訴訟やユーザーからの非難を恐れることなくリリースできるのはメタだけだ。スレッズでこのアプリがツイッターのクローンだと指摘する投稿はまだ1つも目にしていない。みんなが前向きにとらえ続けようとしており、驚くことではない。スレッズは自分の考えを世界と共有できるように設計された、新たなソーシャルメディアアプリだ。誰がそれを問題視するだろうか。
まず、スレッズに新しい要素はまったくない。私は以前、トランプ前米大統領のSNS「Truth Social(トゥルース・ソーシャル)」が初日から大失敗だったのは、新しいエクスペリエンスを提供しなかったからだと書いた。リツイートの代わりに「リトゥルース」をシェアできる。スレッズではリスレッドができる。いずれも少し聞き覚えがある。