バイデン大統領は大麻の推進派ではないし、トランプ前大統領を含む他の主要候補者も大麻の合法化を主張していない。トランプの初代司法長官のジェフ・セッションズは、オバマ政権時代の大麻産業に対する保護を取り消し、トランプは最近「麻薬の売人は死刑にすべきだ」と発言した。
数十年前にマリファナとヘロインで逮捕されたロバート・F・ケネディ・ジュニアは民主党から出馬し、大麻を非犯罪化すると述べたが、合法化までは主張していない。
バイデン大統領は、2021年の就任時に大麻業界に友好的になることを期待されたが、彼のこれまでの歩みは複雑だ。30年以上におよぶ上院議員時代に彼は、米国の薬物規制の厳格化に貢献し、大統領としては、大麻の陽性反応が出たホワイトハウスのスタッフを解雇した。しかし、2022年10月にバイデン大統領は、大麻の単純所持で有罪判決を受けたすべての米国市民に恩赦を与え、米国保健社会福祉省(HHS)と司法長官に、大麻の連邦法での分類を、早急に見直すように要請した。
大麻は、連邦政府レベルでは1970年以来、ヘロインやLSDとともに、乱用の可能性が高く、医療的価値のない麻薬を指す「スケジュールIのドラッグ」に分類されている。
連邦政府はなぜ大麻を合法化しない?
ザビエル・ベセラ保健福祉長官は先日の大麻メディアMarijuana Momentの取材に対し、食品医薬品局(FDA)および麻薬取締局(DEA)と協力し「科学と証拠に基づいた答えが大統領に出せるかどうかを探っている」と語った。「期待してください。かなり早く、できれば今年中には結論を出したいと思っています」しかし、州が規制する250億ドルの大麻産業とアンダーグラウンドの470億ドルの大麻経済にとって、連邦レベルの合法化はまだ夢のままだ。州レベルの合法化は進んだが、連邦レベルの禁止のおかげで、州境を越えて大麻製品を販売したり流通させることはできず、州の認可を受けた大麻業者は、密売人のために設けられた懲罰的な連邦税率によって利益を圧迫されている。