国内

2023.07.10

スタートアップ人口増狙ったIVS京都 参加制やブース新設の効果は

提供=IVS

6月28日から3日間、国内最大級のスタートアップイベント「IVS (インフィニティ・ベンチャーズ・サミット)」が京都市勧業館「みやこメッセ」で開催された。

30回目を迎える今回は「IVS2023 KYOTO」と銘打たれ、ベンチャーキャピタル(VC)の「ヘッドラインジャパン」のほか京都府などが主催者として名を連ねた。

近年、「IVS」への参加者数は増加傾向にある。2021年に栃木県の那須町で開催された「2021IVS NASU」では、国内からの参加者は550人だったが、昨年の沖縄県那覇市で開催された「2022IVS NAHA」では、Web3に特化したカンファレンス「IVS Crypto 2022 NAHA」が同時開催されたことで1700人ほどが集まり、海外からも550人が参加した。

今回の「IVS2023 KYOTO」では過去最多となる1万人超の登録を記録。イベント開始前から、ツイッター上では「#IVS参加表明」というハッシュタグをつけたツイートが多数投稿されるなど、例年にない盛り上がりを見せていた。海外からも約2000人が参加し、特に今回も開催されたWeb3に関連した「IVS Crypto 2023 KYOTO」は海外参加者で賑わいを見せた。

オープニングイベントに集まった人たち

オープニングイベントに集まった人たち


今回の「IVS」の大きな変化としては、これまでの「招待制」から、チケット購入者全員が参加できる「参加制」に移行したことだ。

政府のスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略の5カ年計画を背景に、スタートアップ関係者の人口を増やすことを目指し、イベントを「オープン化」した形だ。開催場所も、観光地として世界的にも認知される京都を選んだ。

「NEXT CITY」ゾーンを新設

プレイベントに登壇した「ファンズ」のCFOでIVS運営者の1人でもある前川寛洋氏は次のように語った。

「これまでのIVSのイメージを聞くと『スタートアップをすでにやっている人向けの企画ですよね』という声がよく挙がりました。もちろんそれもイベントとしての魅力ですが、今回はIVSを再定義しました」

そのため、すでにスタートアップを始めており、これから成長を目指していく人たちに向けては「PRO BASE」を、これからスタートアップを始めていく、あるいは関わっていきたい人に向けては「NEXT CITY」というゾーンを新設した。

新たなNEXT CITYでは、「​SOCIAL INNOVATION AREA」「INCUBATION AREA」「IVS for Engineers」「Reverse pitch」「Acceleration」の5つのステージが用意され、新たに起業を目指す人、新規事業を展開したいと考えている人、仲間を集めたい人などに向けたトークセッションや、ネットワーキング、VCへのアイデアの「壁打ち」イベントなどが実施された。

NEXT CITYに用意されたトークセッションステージ

NEXT CITYに用意されたトークセッションステージ

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文=露原直人

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