国内

2023.07.10 16:00

ローンチ半年で200社導入のSaaS 誰でも成果が出る営業組織の作り方

ファクトベースCEOの竹内将高(撮影=林孝典)

バーティカルSaaSは属人化しにくい

営業力が強いもう一つの理由は「属人化していないこと」だと竹内は話す。
advertisement

実はバーティカルSaaSは、属人化しない営業組織作りと相性が良いのだという。業界を横断して利用されるホリゾンタルSaaSでは、個社ごとにカスタマイズすることも多く、顧客との関係性が深まれば深まるほど属人化が進む。
 
「業界・業種に特化しているバーティカルSaaSの強みは、解が一つであることです。つまり、A社が困っていることはB社もC社も困っていて、同じソリューションで業界全体の課題を解決することができる。しっかりと課題をヒアリングして、解決できるいいプロダクトを作れば、誰が売っても成果が出るのでお客さんに喜んでもらえるんです」


 ただ課題もある。新規事業の開発だけは、まだ属人化したままだという。ファクトベースでは、新たなビジネスを複数構想し、製品作りを始めているが、これらは全て竹内のアイデアだ。

「一人でやってしまっていては、僕が事業アイデアを思いつく速度でしか会社は成長していけません」
advertisement

なぜこの問題が起きるのか。竹内が要因を探ると、特にテストマーケティングをする際に、「どの業界の誰が製品の購入者になるのか」というターゲティングができていないことがわかった。

そこで竹内は、試験運用を始める前に調べるべきことをリストアップ。その手順を踏みながら、現場のマーケターに企画書を作らせるようにした。徐々に、竹内なしでもテストマーケティングがスムーズに動くようになっているという。

一方で、アイデアを生み出し、それを製品に落とし込んでいくというゼロイチのプロセスは、まだ竹内に依存しており、「今後、自分以外でもできるようになる解決策を見つけたい」と話す。

急速な顧客増加、対応急ぐ

ファクトベースでは、半年で導入社数200社という急速な顧客増加に対応するため、従業員の増員も行っている。現在の従業員数は約30人だが、今年8月末までには、営業担当者を中心に2倍に増やす計画だ。

さらに今後は、日本の町工場が海外企業とも取引ができるようなサービスの拡充と、海外取引をサポートするための商社事業にも乗り出していくという。

取材・編集=露原直人 文=小野瀬わかな 撮影=林孝典

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事