登録者はサービス開始後、2時間で200万人を超えたと囁かれているが、サービス開始が確認された日本時間7月6日朝8時から4時間半ほど経過した時点で取得されたID番号はすでに600万を超えていた。
過去に例のない速度で利用者登録が増加している背景には、イーロン・マスクによるツイッター買収後、サービス設計や機能、料金体系などを頻繁に改変するなどの混乱もある。
メタから公式アナウンスがあったわけではないが、ツイッターの状況を観察した上で前倒しでサービスを開始したものとネットコミュニティでは受け取られている。
また、冒頭でも紹介したように(少なくとも現時点では)メタの祖業であるフェイスブックとのサービス連携は行われておらず、スレッズ単独、あるいはインスタグラムで形成しているソーシャルグラフ(アカウントを取り巻く人たちとの関係)を引き継ぎやすいよう設計されている。
商利用を禁止している点、初期段階(執筆時点)ではウェブブラウザ向けインターフェイスを持たない点、最初期のインスタグラムとの類似性は高い。スレッズ以外のコミュニティと接続可能にするコンセプトも内包するといったオープンな戦略も特徴だ。このような点から、メタの狙いを探ってみよう。
インスタグラムとの類似性に見るメタの狙い
スレッズはサービスが開始されたばかりで、今後必要となるだろう機能は揃っていないが、この点は今回は言及しない。運用しながら必要な機能追加、細かな使いやすさの調整をかけていくものと考えられる。例えばSNSでは一般的なハッシュタグは、(メッセージに含めることはもちろん可能だが)システムとしてそれを利用する機能は盛り込まれていない。同様にGPSや店舗など地点情報との連動も行うことができない。
さらに検索も(現時点では)ユーザー名のみが対象であり、フォローしていないユーザーも含む投稿内容の検索といった、ツイッターでのよくある使い方も行うことはできない。
これらはユーザーが増加し、多くの情報が流れるようになってから有用になるもので、サービス立ち上げ時は「居心地の良さ」の方が重要だ。
現時点においてメタはスレッズを「緩やかに心地よく、短文で情報を交換する場所」としてスタートさせようとしている。機能はツイッターと極めて類似しており、最大文字数が500字、写真・動画の添付数は最大10個、フォロワーをアカウント側で削除可能といた違いはあるものの、基本的な仕組みは近い。