米海洋保護団体Ocean Conservancy(オーシャン・コンサーバンシー)は2023年6月23日「The Charting a Course To Plastic Free Beaches(プラスチックごみのないビーチへの道筋を描く)」と題した研究リポートを発表した。
このリポートによると「タバコ吸い殻のフィルター」「プラスチックストロー」「使い捨てのスプーンやフォークといったプラスチック製カトラリー」「プラスチック製の買い物袋」「発泡スチロールの食品容器」という5品目の使用を全米で禁止すれば、毎年4500億個ものプラスチック製品が削減されるという。
これを重量で表すと、プラスチック140万トンに相当する。さらに別の言い方をすれば、米国で毎年使用される使い捨てのプラスチック製品とプラスチック包装が、1人あたり1000個分、減少する。
研究リポートによれば、そうしたプラスチック製品5品目を禁止することで削減できる炭素排出量は、年間約700万トンだ。道路を走行する自動車150万台を、1年間にわたって減らした場合に相当する。
今回の研究で使用されたのは、国際海岸クリーンアップ(ICC)のデータだ。国際海岸クリーンアップは、オーシャン・コンサーバンシーが呼びかけている海岸ゴミの清掃活動で、1986年にスタート。世界中で毎年同じ時期に実施され、集められたゴミに関するデータが収集されている。
国際海岸クリーンアップには、1986年の開始以降、1800万人近くのボランティアが参加し、世界中の浜辺や河川、水路でプラスチックごみを回収している。その量は3億5000ポンド(約15万8760トン)、数にして3億8100万点に上る。
研究リポートによると、1986年から2021年までに国際海岸クリーンアップのボランティアたちが回収した吸い殻は5900万個以上、食品包装は2800万個以上、ペットボトルは2100万本以上だ。