気候・環境

2023.07.08 08:00

たった5品目の禁止で「プラスチックごみのない海岸」は実現する

Getty Images

米国では近年になって、さまざまな州や地方自治体が、プラスチック製買い物袋の禁止や有料化に踏み切るなど、削減に向けた取り組みを開始していることも、研究リポートでは触れられている。
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研究リポートで取り上げられた使い捨てプラスチック5品目の一部については、インド、チリ、ルワンダ、カナダなど30カ国以上で、州法などで使用を禁止している。

米国では、13州以上とワシントンD.C.が、いくつかの種類の使い捨てプラスチックの使用を禁止している(例えばワシントンD.C.では、使い捨てのストローやカトラリーが禁止されている)。

リポートで取り上げられたプラスチック製品は、実質的に使用禁止が可能だとも書かれている。それらの製品は、不要であるか、他の再利用可能な製品で代用が容易だからだ。
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タバコの吸い殻に関しては、公共のビーチや公園で喫煙を禁止することが、海洋汚染を減らす上で最も効果的だとしている。

吸い殻によるプラスチック汚染を削減する別の方法が、使い捨てフィルターの使用禁止だ。タバコのフィルターは、プラスチックの一種であるセルロースアセテートでできており、コンポスト内でも7年から14年間は分解されないという。

研究リポートによれば、プラスチック製買い物袋の使用禁止と合わせて、あらゆる素材の使い捨て袋を有料化することが、最も効果的な法的取り組みだ。そうすれば、使い捨てプラスチック袋の代わりに使い捨て紙袋を使うのではなく、再利用可能なエコバッグなどが使われるようになると、研究リポートには書かれている。

オーシャン・コンサーバンシーの米国プラスチックポリシー担当アソシエイトディレクター、アンニャ・ブランドンは声明で、これらのプラスチック製品を排除すれば、ビーチや水路に良い影響が即座に現れるだけでなく、最も一般的に使われている「リサイクルできないプラスチック製品」が「下水処理システムを台無しにする」ことも防止できると話す。

オーシャン・コンサーバンシーの海洋プラスチック担当バイスプレジデント、ニコラス・マリョスは今回の研究結果について「プラスチックのないビーチを実現するためにとるべき行動の道筋を明確に示している」と述べた。

「第一歩はとても簡単だ」とマリョスは続ける。「最大の原因を流通させなければいい」

2023年の国際海岸クリーンアップは、9月いっぱい実施される予定だ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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