それが、イーロン・マスクが最近取っている戦略のようだ。ツイッターには、一部のサービスに実際にお金を払うだけの価値があると我々を納得させようとする代わりに。
最近の変更にはTweetDeckの有料化が含まれる。Twitter Blue(基本的に虚栄心のためのサービスだ)に登録し、約30日過ぎてからも使用するために月額料金を支払う必要がある。同社は旧TweetDeckも廃止する。
このほど閲覧の上限が設定された。明らかにサーバーの問題に対処するためだ。名の知れた富豪であるマスクはここでも少額を取り立てている。というのも、ツイッターを誰もが制限なく利用できるようにするために途方もないコストを負担したくないからだ。
悲しいことに、このようなことは潰れそうな企業で以前にも見たことがある。
皮肉だが、私の頭には電気自動車(EV)の充電スタンドの例が思い浮かぶ。私の住んでいる地域では、繁華街にある充電スタンドは買い物する間いつでも無料で使えた。市が課金を開始したのは、EVが広く普及したためだろうとあなたは思うかもしれない。実際はその逆だ。誰も使わない(私を除いて)ため、市は充電料金を徴収し始めたのだ。
ツイッターでも同じだ。同社は新機能を作り、新しいユーザーを呼び込むと思うだろう。だが、ユーザーは他のアプリに向かう。ユーザー数が減少するにつれて、明かりを灯し続ける唯一の方法は、通常無料だった機能に課金し始めることだ。
車の例でいうなら、これを「ガウジング」と呼ぶ。何年もの間、充電スタンドは常に無料だった。人々に周辺を散策して買い物してもらうのが狙いだったからだ。だが誰も使わないため、ビジネスモデルは有料に切り替わった。少なくとも設置にそれなりの費用がかかっているはずで、利用する人がいれば市はなんとか投じた金を少しでも回収できる。
ガウジングとは、いつも利用している現ユーザーを搾取するときに、ユーザーが忠実であるがゆえに余分に料金を請求することだ。私も搾取された1人だ。生産性に関する著書について長い文を投稿をしたかったため、私はまたもTwitter Blueの料金を払った。だがいま、私は再び払うかどうか検討している。
ビジネスにおけるガウジングやその他の「引っかけ」の問題は、顧客がゆくゆくはそれを理解することだ。私は新規顧客がサービスに申し込まないためにできるうちに少しでも収益を絞り出そうとしている落ち目の会社のモルモットに過ぎない。なぜそんなことをするのか。EVを検討している人のように、新しい製品を使うために余計に金を払わなければならないというビジネスモデルは、みんなの仲間入りしようという気にさせない。
ユーザーが本当にほしいものは何だろうか。新しい機能。斬新なアイデア。新しい勢い、他のソーシャルメディアアプリではできなかったことが体験できるという感覚。何か新しく革新的なことをすること。イノベーションに金を払う理由を与えてくれること。
マスクは再び起業家のように行動し始めるときだ。ユーザーが望むもの、つまり役に立つものを無料で提供すべきだ。最終的に、長い目で見て十分な価値とメリットがあれば、我々は喜んで金を払うようになるだろう。
そうでなければ、我々は利用されていると感じるだけだ。
(forbes.com 原文)