気候・環境

2023.07.06 07:45

7月4日の世界気温、過去12万年で最高に 2日連続で記録更新

7月4日、ウクライナ西部リビウにある噴水で暑さをしのぐ子供たち(Mykola Tys/Global Images Ukraine via Getty Images)

7月4日の世界平均気温が前日に続き観測史上最高を更新し、この日は過去12万5000年間で最も暑い日となった。

米メーン大学気候変動研究所によると、4日の世界平均気温は17.18度に到達。同大と米国立環境予測センターによれば、3日の世界平均気温は17.01度と、2022年7月24日と2016年8月14日に記録した16.92度を上回り、観測史上最高となっていた。

気候科学者のパウロ・チェッピは米紙ワシントン・ポストに対し、4日の気温推定に使われたモデリング・システムは1979年からしか使われていないが、各種機器を使用した気温記録や、木の年輪、氷床コアを調べることで、太古の地球の平均気温を推定することができると語った。

人為的な気候変動により、世界の気温は長年にわたり上昇傾向にあるが、4日の高温はエルニーニョ現象の発生によっても引き起こされた。国連の世界気象機関(WMO)は4日、エルニーニョ現象に伴う海面水温の上昇で、陸海両方の温度が大幅に上がり、世界の数十億人が影響を受けるだろうと警告した。

米海洋大気局によれば、エルニーニョ現象は貿易風を弱め、暖かい海水をアメリカ大陸の西海岸に押し流すため、米国北部とカナダでは例年より乾燥し気温が上昇する。米国のメキシコ湾岸と南東部では、降雨量が増え、洪水が増加する見通しだ。WMOは、エルニーニョが今後9~12カ月間にわたり地球の気温を上昇させると予測している。

エルニーニョ現象の発生は、異常気象と地球温暖化の加速、向こう1年間の記録的猛暑を意味する。WMOは5月に発表した報告書で、今後5年間のうち少なくとも1年が史上最も暑い年になる可能性は98%とされている。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太・編集=遠藤宗生

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