米メーン大学気候変動研究所によると、4日の世界平均気温は17.18度に到達。同大と米国立環境予測センターによれば、3日の世界平均気温は17.01度と、2022年7月24日と2016年8月14日に記録した16.92度を上回り、観測史上最高となっていた。
気候科学者のパウロ・チェッピは米紙ワシントン・ポストに対し、4日の気温推定に使われたモデリング・システムは1979年からしか使われていないが、各種機器を使用した気温記録や、木の年輪、氷床コアを調べることで、太古の地球の平均気温を推定することができると語った。
人為的な気候変動により、世界の気温は長年にわたり上昇傾向にあるが、4日の高温はエルニーニョ現象の発生によっても引き起こされた。国連の世界気象機関(WMO)は4日、エルニーニョ現象に伴う海面水温の上昇で、陸海両方の温度が大幅に上がり、世界の数十億人が影響を受けるだろうと警告した。
米海洋大気局によれば、エルニーニョ現象は貿易風を弱め、暖かい海水をアメリカ大陸の西海岸に押し流すため、米国北部とカナダでは例年より乾燥し気温が上昇する。米国のメキシコ湾岸と南東部では、降雨量が増え、洪水が増加する見通しだ。WMOは、エルニーニョが今後9~12カ月間にわたり地球の気温を上昇させると予測している。
エルニーニョ現象の発生は、異常気象と地球温暖化の加速、向こう1年間の記録的猛暑を意味する。WMOは5月に発表した報告書で、今後5年間のうち少なくとも1年が史上最も暑い年になる可能性は98%とされている。
(forbes.com 原文)