スポーツ

2023.07.05

トラウト離脱、エンゼルスの大谷引き留め戦略にも狂いか

エンゼルスの主砲マイク・トラウト(左)の離脱は大谷翔平の去就にも影響を及ぼす可能性(Michael Reaves/Getty Images)

大リーグ、エンゼルスのマイク・トラウトがけがで戦線を離脱した。同僚の大谷翔平も近くチームを離れることになるかもしれない。

トラウトは3日のパドレス戦で左手を骨折した。これは本人だけでなく、2014年以来のプレーオフ進出をめざすエンゼルスにとっても痛手だ。

エンゼルスは4日(米国時間)現在、45勝43敗でア・リーグ西地区3位。プレーオフ出場をかけたワイルドカード争いでは、3位のヤンキース(東地区3位)に3ゲーム差をつけられている。プレーオフにはア・リーグ、ナ・リーグの各地区の1位チームと、ワイルドカードの上位勝率3チームが進める。

トラウトの離脱は9月4日のレイバーデーまで続く可能性がある。トラウトは、13年のキャリアで平均打率3割1厘、本塁打40本を誇るエンゼルスの主砲だ。

トラウトを失うことはチームにとって試練になるだけでなく、今季限りで年俸3000万ドル(約43億円)の契約が満了となる同僚のスーパースター、大谷をエンゼルスが引き留めるうえでも支障になるだろう。

大谷はこれまで、優勝を狙えるチームでプレーしたいと繰り返し語っている。エンゼルスは2014年を最後に優勝から遠ざかっており、ポストシーズンで試合に勝ったのは2009年が最後だ。

投手としても打者としてもパワフルな大谷は、ほぼすべての球団の垂涎の的だが、獲得できるほど財政に余裕のある球団はひと握りしかない。エンゼルスのオーナー、アルテ・モレノは大谷に残ってもらいたいと公言しているが、大谷は優勝する可能性がもっと高いと考える球団から高額のオファーがあれば検討するかもしれない。

大谷が南カリフォルニアにとどまりたい考えなら、資金力のあるドジャースが獲得に乗り出すのはまず間違いない。大谷の今季これまでの成績は、打者としては本塁打31本、長打率6割6分4厘、出塁率と長打率を合算した「OPS」が10割5分4厘。投手としては7勝3敗、防御率3.02で、9イニング換算平均12奪三振、被安打5.7本というのはトップだ。初のサイ・ヤング賞を狙える位置につけている。

トラウトの負傷が、エンゼルスのトレード交渉の戦略に影響を及ぼすのはほぼ確実だ。トレードの期限は8月1日となっている。エンゼルスは外野手のベテラン強打者の獲得をめざすかもしれないし、あるいは大谷に再契約のオファーをすることを検討するかもしれない。

一方、大谷をいまトレードで放出すれば、エンゼルスは相手球団から大きな見返りを得られるに違いない。

大谷は来週、3度目となるオールスターゲームに出場する。トラウトも選出されていたが、けがのため辞退した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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