上半期の米小型株「最悪銘柄」はWeWork、上場廃止の瀬戸際

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2022年の株式市場は大きく下落したが、反転を信じ続けた投資家たちは、今年上半期に大きな報いを得た。S&P500指数は、エヌビディアやメタ、アマゾンなどのハイテクの大型株の急騰に後押しされて14%上昇した。その一方で、小型株への投資は当たり外れが大きくなっている。

小型株を中心とした株価指数であるラッセル2000の今年の上昇率は7.2%に止まり、2021年11月につけた史上最高値を23%下回っている。小型株は金利の上昇や、経済成長の鈍化の影響を受けやすい。またラッセル2000は、金融セクターのウェイトが14%あり、シリコンバレー銀行の破綻に端を発した地方銀行の危機もパフォーマンスに影響した。

それでも、小型株は全体として上昇した。上半期に最も値上がりしたものの多くは、2022年に最大の敗者だった暗号資産関連銘柄だ。ビットコインのマイニング(採掘)を手がけるビットデジタル(Bit Digital)は627%上昇し、同業のサイファー・マイニング(Cipher Mining)とアプライド・デジタル(Applied Digital)も急騰した。

ビットコイン採掘の最大手で、時価総額が23億の「マラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)」の株価も、今年297%上昇している。これらの銘柄のパフォーマンスは、ビットコイン価格と密接に関連している。ビットコインの価格は今年85%上昇し、3万ドルを突破している。

「マイニング銘柄への投資は、伝統的な金融インフラを介してビットコインに投資する機会を与えてくれる。ウォレットを心配する必要もない」とH.C. Wainwrightのアナリストであるケビン・ディディは話す。

サイファー・マイニングとビットデジタルの株価は、一時期40~50セントまで下落したが、現在ではビットデジタルが4.32ドル、サイファーは2.92ドルまで値を戻している。

他の小型株では、サンディエゴに本拠を置くバイオテクノロジー企業「Ambrx Biopharma」が、ビットデジタルに匹敵する619%の上昇を記録している。これは、同社が開発中の乳がん治療薬が、中国での第II相臨床試験で有望な結果を示したことによるものだ。
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編集=上田裕資

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