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宇宙

2023.07.06 13:30

最強クラスの太陽フレア発生 太陽は間もなく「極大期」に

NASAの太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーが捉えた太陽フレアの画像。画面右上に明るい閃光として写っている。2023年7月2日(NASA/SD)

7月2日から3日にかけて、「X1クラス」の強力な太陽フレアが観測された。米航空宇宙局(NASA)が発表した。宇宙天気情報サイト「Spaceweather.com」によると、この太陽フレアによって太平洋と米国西部で30分間にわたり電波障害が発生した。

Xクラスのフレアは、現在の第25太陽活動周期(2019~30年)で18回目だ。NASAは太陽フレアについて、黒点に関連する磁気エネルギーの放出に由来する強力な爆発的増光と説明している。「Xクラス」は、最も強力な規模だ。

この太陽フレアは、黒点領域AR3354に由来するもので、NASAの太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーが発見し撮影した。

迫る太陽極大期

今回のフレアは、太陽の活動が最大になる太陽極大期が迫る中で発生した。9~14年毎にやってくる極大期は、次は2024年または25年に起きると予測されているが、今年来ると考える科学者もいる。

極大期が近いことを示す兆候は増えている。2023年6月には、太陽表面の激しい磁気活動が起きている場所である黒点が平均163個観測された。ベルギー王立天文台太陽影響データ分析センターによると、これは2002年9月以降で最多だ。

極大期の太陽では、大規模な太陽フレアやコロナガス噴出が起き、より多くの電子と陽子が生成される。
皆既日食の時に限り、肉眼で見える太陽フレアと太陽コロナ。2017年8月21日(NASA Photo / Carla Thomas)

皆既日食の時に限り、肉眼で見える太陽フレアと太陽コロナ。2017年8月21日(NASA Photo / Carla Thomas)

増減を繰り返す太陽活動

わずか数年前の2020年には、黒点の数は非常に少なくなっていた。2013~14年に起きた前回の太陽極大期は、観測史上最も弱いものとなっていた。

黒点は1838年以降、毎日継続的に数えられているため、太陽活動の増減のパターンは予測可能となっている。一部の科学者は、現在の活動周期が観測史上最強となると予測している。

いずれにせよ、2024年4月8日に北米で起きる皆既日食では、素晴らしい太陽コロナが見られそうだ。太陽コロナが肉眼で見れるのは皆既日食の時だけとなる。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫・編集=遠藤宗生

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