D-IDのスタジオは、テキスト・画像・動画の生成を1つのプラットフォームに統合した初のマルチモーダルプラットフォームだ。2022年後半のリリース以来、3秒に1人のペースで新規ユーザーを獲得しており、これまでに1億5000万本の動画が生成されている。
D-IDのスタジオとチャットボットの月間ユニークビジター数は、いずれも数百万人規模に達している。昨年3月にライブストリーミング機能とAPIをリリースした際、同社の共同創業者でCEOであるギル・ペリーは「我々のビジョンは、人間がデジタルなものに接する方法を変革することだ」と述べていた。同社は最近、ユーザーが自分で選んだ顔をchat.D-IDに追加できる機能や、アバターの性格や特徴を調整するためのテキストプロンプトを実装した。
すでに100万人の開発者がこれらの機能を利用しており、4分に1人のペースで新しい開発者がAPIキーを生成している。ペリーは、いずれこれらの開発者がD-IDプラットフォーム上で次世代版のTikTokを開発すると予想している。
孤独感を軽減するテクノロジー
また、D-IDのアバターカスタマイズ機能は、米国で蔓延する孤独の解消を支援できるかもしれない。米保健福祉省が最近公表したレポートによると、米国では成人の2人に1人が孤独を経験しているという。このレポートによると、SNSを1日2時間以上利用すると、社会的孤立を経験する確率は2倍に増え、社会的つながりの欠如は、タバコを1日15本吸うのと同程度に早死にのリスクを高める可能性があるという。この問題に対処しようと、多くのテック企業が孤独感を緩和するAIを開発している。例えば「Intuition Robotics」は、コンパニオンロボット「ElliQ」を米国でリリースした。ユーザーの95%は、ElliQが孤独感の軽減と幸福感の向上に役立っていると感じており、90%がElliQによって生活の質が向上したと報告している。
今回アップグレードされたD-ID のchat.d-idも、ユーザーが選んだ画像をアップロードし、好みの生成AIとリアルタイムで会話ができる。また、新しくなったD-IDのスタジオでは、クリエイターがアバターに感情や表情を加えることができる。
マーケターやクリエイターは、D-IDのスタジオを利用することで、従来の動画コンテンツ作成ツールに比べてコストと労力を削減しながら画像に命を吹き込むことができるようになった。また、新バージョンのチャットボットでは、ユーザーが自分自身や歴史上の人物などの画像をアップロードすることができる。さらに、チャットボットがその人物になったかのように答えるよう指示することも可能だ。
「次世代版スタジオのリリースにより、ユーザーはアバターの表情をこれまで以上に自由にコントロールできるようになった。また、スケーラブルなパーソナライゼーションによって、数千もの企業が多くの作品を生成することができるようになる」とペリーは声明で述べた。
(forbes.com 原文)