金融情報会社ファクトセットのデータによると、S&P500種株価指数の構成銘柄の上半期上昇率では、AI向け半導体最大手のエヌビディアが190%でダントツの1位だった。同社の株価は5月に上場来最高値を更新した。半導体銘柄ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も76%の上昇で8位につけている。
エヌビディアの上昇率は超大型テック株のなかでも際立っているが、アップル(50%)、マイクロソフト(43%)、アルファベット(36%)、アマゾン(55%)、テスラ(113%)、メタ(138%)というほかのテック大手6社もすべてS&P500の上昇率トップ50位以内に入っている。エヌビディアを含めた7社は上半期に時価総額を合計で4兆1000億ドルほど膨らませた。
上昇率トップ5銘柄のうち2つは意外に思えるかもしれない。クルーズ船運航のロイヤル・カリビアン(111%)とカーニバル(133%)である。両社はいずれも第1四半期の売上高が市場予想を上回った。それでも、両社の株価はコロナ禍前に比べるとまだかなり低い水準にある。
ラッセル3000株価指数に含まれる小型株の騰落率を見ると、製薬のアンブレックス・バイオファーマが625%の上昇でトップ。中型株では中古車売買サイトのカーバナ(452%)、大型株ではサーバー・ストレージシステム運営のスーパー・マイクロ・コンピュータ(206%)が1位だった。
一方、ダウ工業株30種平均を構成する銘柄の上昇率では顧客情報管理のセールスフォース(59%)、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数の構成銘柄ではアンブレックスが1位だった。