教育

2023.07.04 14:30

マイノリティ団体、ハーバード大学のレガシー入学制度に異議

安井克至
レガシー入学を廃止しようとする動きが続いている。コロラド州は2021年にレガシー入学を禁止し、ニューヨーク州、コネチカット州、マサチューセッツ州など他の州も追随しようとしている。連邦議会でも、レガシー入学を廃止しようとする努力が行われている。2022年2月、民主党は大学がレガシー入学を考慮した場合、連邦政府からの資金援助を打ち切る法案を提出した。ジョンズ・ホプキンス大学やアマースト大学のように、この慣行を廃止した著名な大学もある。

6月29日、米最高裁は、大学が人種を入学者選抜の判断材料として使用することはできないとした。この判決は、1965年に大統領令として施行されたアファーマティブ・アクションの数十年にわたる慣行に終止符を打った。

アファーマティブ・アクション禁止に賛成した判事たちは、この制度が憲法修正第14条の平等保護条項に違反し、白人やアジア系ア米国人の応募者に不利であると述べた。この判決に反対した判事たちは、入学許可の決定において人種を考慮しないことは、この国の過去と現在の経験からかけ離れていると述べた。反対意見を述べたソニア・ソトマイヨール判事は、この判決は「人種が常に重要であり、現在も重要であり続けている本質的に隔離された社会で、憲法上の原則としての表面的なカラーブラインドネスのルールを定着させるものである」と述べている。

長年にわたり、多くの裁判がこの慣行を疑問視してきたが、2003年と2016年の判決はアファーマティブ・アクションを肯定してきた。最高裁が昨年、ノースカロライナ大学とハーバード大学によるアファーマティブ・アクションに異議を唱える裁判を取り上げることに同意したとき、保守派が6対3の多数を占める米最高裁がアファーマティブ・アクションを覆すだろうと多くの人が予想した。アリゾナ州、カリフォルニア州、フロリダ州、アイダホ州、ミシガン州、ネブラスカ州、オクラホマ州、ワシントン州など、すでに多くの州が、大学入試に人種をカウントしない方針をとっている。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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