リーダーシップ

2023.07.07 08:45

視座を変えれば「幸せ度」があがる? 仕事における俯瞰のすすめ

鈴木 奈央

上司の視座、上司の上司の視座

よくわからない指示をされた時に、上司は何を考えて、この意思決定をしたのか? 自分に見えていない部分は何だろうか? と考えてみるとよい。できれば、それを上司に聞いてみるのが良い。もちろん組織の意思決定の方法や、情報のオープンさによって得られる答えは異なるが、指示を鵜呑みにするのではなく、上司の視点を聞くことで納得感も増すし、次の行動にもよい影響を与える。

できれば、上司の上司が何を考えているかにまでアンテナを張ることができれば仕事はやりやすくなるし、自分の仕事の質が変わってくる。上司は自分が将来やる仕事をやっている可能性が高いので、「もし自分だったらどうするだろうか?」という事を考えることも視座を上げる練習になる。私もこれが癖づいたことで、昇進した時の立ち上がりが早くなった経験がある。

別部署や他エリアの視座

部署が違えば、論理が異なるのが常である。売上第一の営業部門と、クリエイティブ第一のデザイン部門では全く見ているものが違うし、使っている脳みそも異なる。さすがに左脳人間がいきなり右脳を使えるようになるのは難しいが、デザイナーは普段何を考えながらデザインをしているのだろうか、その考えがどんなインスピレーションになりこのプロダクトがデザインされたのだろうかと考え、想像し、聞いて答え合わせをするだけでリーダーの視座は変わる。

これが癖づけば、左脳人間のリーダーにも右脳性が少しづつ身についてくるかもしれない。これは都会と地方、自国と他国という視点でもなんでもあてはまる。

クライアントやサプライヤーの視座

なぜこんな高い要求をしてくるのだろうか? なぜこんなこともできないのだろうか? 外部のパートナー、ステークホルダーと仕事をすると思うことはさまざまだ。これもなぜ相手がそういっているのかを考え、聞く癖をつけると仕事の質が格段に変わる。実はクライアントの担当者も上司から無理難題を言われて困っているのかもしれないし、その先には別部署からの要望も入っているかもしれない。

そこまでわかれば、担当者同士で協力関係を作り上司への説明やヒアリングの機会を作って新しいソリューションを提案できるかもしれない。営業の立場から一歩脱却して、クライアントの視座を持つだけで、行動は大きく変えられる。
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文=西野雄介

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