Googleやビットコインへの投資は「上がるべくして上がった」ので高揚感はない
ーうまくいった印象的な取引について教えてください。
自分の取引を振り返ると、印象に残っている取引は価格の上下に一喜一憂したギャンブルチックな取引が多いのですが、成功した投資はもっと平和的でわくわくもせず退屈な取引が多いです。
例えば、Google、Amazon、Facebook、ビットコイン、イーサリアムへの投資は10倍以上のリターンを生み、僕の投資の中では成功した部類に入ります。
しかし、それぞれが10倍のリターンを生むプロセスで特にわくわくすることはなく、所有していることを忘れるほどでした。
上がるべくして上がった、思ったとおりになった、という感覚に近く、高揚感はありませんね。
成功すると思える企業や業界については、ずっとホールドし続けることが成功の鍵だと考えており、「気づいたら値上がりしていて驚く」ぐらいのスタンスが一番いいのかなと思います。
ーテスラへの投資と温度感に差がありますが、それはなぜでしょうか。
リターンの程度は問題ではなく、将来性を信じられたかどうかの差だと思います。
Googleへの投資は、最初からいままでずっと信じられていたので高揚感もなかったのかなと思います。
Googleは信じきれたがテスラ、イーロン・マスクは信じきれなかった理由
ーGoogleは信じられて、テスラは信じられなかった、その差はなんでしょうか。
なんなのでしょう、僕もよくわかっていません。
ただ、赤字の企業に対して投資判断をする場合、ファンダメンタルズを掘り下げるよりビジネスモデルといま作られているプロダクトがどれぐらい良いものなのかを見るほうが大事だと思うんです。
それでいうと、テスラはイーロン・マスクを信じきれなかったのかもしれません。
いまもそうですが、当時から何するか分からない、やばい人という印象があります。
天才だし非常にドラスティックなことをやってくれるんですが、本当にとんでもないことをしでかしそうな人。良い方に振れる時もあれば、やばい方に振れる時もある。
Googleは王道なんですね。上場以後もあまり変なことをしていない。まともな経営者がまともに経営している。
イーロン・マスクはやばいですね。
リーマンショックで株価が下がった際にGoogleへ投資
ーGoogle、Amazonへの投資をはじめたのはいつでしょうか。
Googleは2008年です。多くの人がこれからの時代はITだと考えていた時期で、そのITの分野でトップにいたのがAmazonとGoogleでした。
それで、その二社に投資をしました。
ー2008年といえばリーマンショックで相場環境は厳しい状況だったと思いますが、そのようなタイミングで投資することに不安はなかったのでしょうか。
Googleは2008年のリーマンショックの時に株価が半分以下にまで下がったんですが、倒産するような状況でもありませんでした。
将来に向けて成長が期待できる会社がショックで下がっているときは買い時と考えていたので、むしろ下がったところで買いましたね。