企業が独自のデータと生成型の人工知能(AI)システムを利用して、プロモーション用のコンテンツを作成することを支援するプラットフォームの「Typeface」は6月29日、シリーズBラウンドで1億ドル(約144億円)を調達し、評価額が10億ドルに達したと発表した。同社は、今から4カ月前にステルスモードを脱したばかりだった。
今回のシリーズBは、セールスフォース・ベンチャーズが主導し、既存出資元のライトスピード・ベンチャー・パートナーズやGV(旧グーグル・ベンチャーズ)、マイクロソフトの投資会社のM12も参加した。Typefaceの累計調達額は1億6500万ドルに達した。このラウンドは、同社がグーグル・クラウドとセールスフォースとの提携を発表し、AI機能をグーグルのGoogleドキュメントやGoogleドライブ、Gmail、セールスフォースのMarketing GPTで利用可能にした直後に実施された。
「我々は戦略的パートナーシップを、迅速なスケジュールで最大数の顧客にリーチする方法として捉えている」とTypefaceの創業者でCEOのアベイ・パラスニス(Abhay Parasnis)はフォーブスに語った。彼は、以前はアドビのCTOを務めていた。
Typefaceを利用する企業は、自社のフォントや製品の詳細、ロゴデザインなどのデータを、好みのAIモデルに送り込む。その際に選択可能なのはOpenAIのGPT-4やStability AIのStable Diffusion 2.0、グーグルの機械学習モデルVertex AI、テキスト生成モデルのPaLM 2、画像作成モデルのImagenなどだ。
Typefaceのプラットフォームは企業の固有のデータから学習を行い、顧客はプロダクトの写真やブログで使用する記事、グーグル広告に使用する文言、リンクトインの求人広告などを作成することができる。Typefaceは顧客数を明らかにしていないが、顧客ベースは米国、カナダ、英国、韓国などの小売業、ホスピタリティ、旅行業などのさまざまな分野に広がっている。
2月に一般向けのプロダクトを立ち上げたTypefaceは、プロの写真撮影やスタジオを必要とせずに、ユーザーがテキストプロンプトを使って商品写真を作成・編集できる機能の「Image Studio」をリリースした。同社の顧客は、会議やキーノートの録画などの動画コンテンツを、AIを使ってEメールやブログ記事に変換することも可能だ。
FOLLOW US
Forbes JAPANの最新のニュースをお届けします
続きを読むには、会員登録(無料)が必要です
無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。
著者フォローなど便利な機能、限定プレゼントのご案内も!
会員の方はログイン