ビジネス

2015.07.04

ECからリアル店舗へ 売上93億円のジュエリー販売「BaubleBar」社の戦略

BaubleBar共同経営者エイミー・ジャイン(右)とダニエラ・ヤコボフスキー(左)共に32歳。



オンラインジュエリー販売のBaubleBarは設立から4年。安価でお洒落なジュエリーを取り扱うネット販売大手に成長し、昨年は前年比200%の売上を叩き出し、売上高は推定で7500万ドル(約93億円)。1日の平均受注件数は1500件を数えるまでに成長した。

BaubleBar
BaubleBar

BaubleBarは、更にリアル店舗も出店する構えで、その第一号店に全米最大級のショッピングモールのひとつ、ニューヨーク州ロングアイランドのルーズベルト・フィールド・モールを選んだ。

BaubleBarの共同経営者らは共に32歳。ハーバードでMBAを取得したエイミー・ジャイン とダニエラ・ヤコボフスキーの2人は、リアル店舗を出店するならニューヨーク郊外だと確信した。この立地を選んだ理由は彼女らの主なターゲットである、スタイリッシュなミレニアル世代が多く買い物に訪れるからだ。

「私達は4年間に渡り、BaubleBarで買い物をする人たちの動向を見てきました。彼女たちの好みはよく分かっています」と、エイミーらは言った。BaubleBarは創業1年で1100万ドル(約14億円)を売上げ、現在の売上額は7500万ドル(約93億円)に達するという。

同社はこれまで1560万ドルの資金を集めているが、この中には、2014年にバーチ・クリエイティブ・キャピタルが出資した1000万ドルも含まれる。また、老舗ベンチャーキャピタルのアクセル・パートナーズ(Accel Partners)やグレイクロフト・パートナーズ(Greycroft Partners)も出資を行っている。

BaubleBarはオンラインショップ開業とほぼ同時に、ターゲットの顧客層が好むファッションチェーン店とのパートナーシップや、期間限定ショップの開設など、リアル店舗出店のための調査を進めていた。

同社のジュエリーの価格帯は18ドル~68ドル。既にノードストロム(Nordstrom)やブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)などの百貨店でも販売されている。 BaubleBarは自社の店舗での販売に加え、こういった店舗での展開も継続していく構えだ。

「ビジネスを始めた当初から、リアル店舗での販売を念頭に置いてきました。私たちの製品は小さくて衝動買いしたくなるタイプのもの。だから、顧客が買いたいときにすぐ買えるよう、彼女たちの身近な場所に置きたいのです」と創業者の一人は話した。

BaubleBarは最近、同社のサイトのキュレーターとして、ブラジル出身のスーパーモデル、アレッサンドラ・アンブロ―ジオを起用した。マンハッタンの本社では、200人以上の社員たちが、店舗の在庫をリアルタイムでアップデートできるシステムを構築した。

「当社では、毎週75個から100個の新商品が発売されますが、それらをオンラインで販売できるオペレーションラインがありますが、この仕組をリアル店舗にも適用していきます」と創業者の一人は語る。

ロングアイランドにほど近いブルックリンのウォーターフロントに、BaubleBarは52,600スクエアフィート(4800平方メートル)の巨大流通施設を建設した。投資家のクリス・バーチ(Chris Burch)は、BaubleBar社が成功の方程式を手にしていると言う。バーチは続けてこう述べた。

「2013年にローンチしたソーホーの期間限定ショップに行った時、リアル店舗の可能性に気がついた。BaubleBar社の商品に触れた時の1人の女性のリアクションが、このジュエリーブランドのポテンシャルの高さを私に見せつけたんだ。BaubleBar社の成功を確信している」

文=クレア・オコナー( Forbes)/ 編集=上田裕資

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