これはEVピックアップトラックにとって特に重要だ。アメリカのやり方では、ハマーEVのような重量の重いクルマには、おそらく200~500kWhの巨大なバッテリーパックを積まなければならないだろう。現在のごく普通のEVが積んでるのは、100kWh以下の小さなバッテリパックだからね! そのような巨大な、バッテリーパックを作るということは、これらの車両がガソリンやディーゼルエンジンと同じように汚染する可能性があるということだ。
しかし、EVピックアップに「MX-30 REV」のようなロータリーエンジン付きレンジ・エクステンダーを組み込むことで、そうした影響を省き、より多くの車両に必要なバッテリー材料を節約することができる。毎日の通勤には十分なバッテリーパワーがあるが、年に数回キャンプに行くにはガソリンで十分な航続距離があれば、業界にとって全体的な環境イメージはかなり良くなるだろう。
とはいえ、これはあくまで一つの飛び石に過ぎないことを肝に銘じておく必要がある。業界がロータリー付きレンジ・エクステンダーに夢中になり、次世代のEVがバッテリーを搭載するためのバッテリー供給を実際に考え出さないようなことがあってはならない。
リチウムを使わないバッテリーの話題も出ているし、全固体電池の登場や、水素燃料の進展も視野に入れた過渡的な選択肢として、ロータリー付きレンジ・エクステンダーは期待できるだろう。
国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
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