オースティン・チュー(26)は、学生時代からオンライン掲示板で“高級腕時計あさり”をしては、見つけた獲物をインスタグラムに投稿していた。「情熱を注ぎ込んでいたので、学業以外の時間をほとんど費やしていました」
今日、チューは、香港に本社を置く中古高級腕時計小売り「Wristcheck(リストチェック)」の共同創業者兼CEOを務めている。社名が、ソーシャルメディアで活発に投稿している腕時計の愛好家たちが使うハッシュタグに由来するように、同社はブランドもの好きで、高級腕時計についてもっと知りたい若年層を対象にしている。Z世代は高級店で十分な敬意を払われていない、とチューは説明する。「私は、15歳のときから、『あればいいのに』と思っていたプラットフォームを作っているのです」
リストチェックのプラットフォーム上で流通しているブランドは57種に及ぶ。フランスのブランド「バルチック」の580ドルの腕時計から、スイスのブランド「リシャール・ミル」の64万ドルもする高級腕時計まで幅広い。同社は、売り手から8%、買い手から4%と、取引の固定フィーを取ることで収益を得ている。