プリゴジンはかねて、ウクライナ侵攻への対処をめぐって軍最高幹部のショイグとゲラシモフを激しく批判していた。
プリゴジンはふたりの身柄を拘束することを計画していたが、予定の2日前にFSBに気づかれた。そのため当初の計画より早い23日に、ウクライナとの国境に近くロシア軍の補給拠点になっている南部の都市ロストフナドヌーの占拠に踏み切ったという。
ロシア国家親衛隊のビクトル・ゾロトフ隊長は27日、当局は反乱について事前に知っていたとタス通信に述べている。
ウォールストリート・ジャーナルが関係者の話として伝えたところによると、西側の情報機関も通信傍受や衛星画像の分析を通じてワグネルの計画を事前につかんでいた。反乱に先立って、プリゴジンは大量の弾薬や燃料、戦車や装甲車両、高度な移動式の対空防衛装備をかき集めていたという。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズは、プリゴジンはほかの有力者の支援を得られるという確信がなければ反乱を起こしていなかっただろうとする米当局者の見方を伝えている。米当局は、ウクライナ侵攻作戦の総司令官を一時務めたセルゲイ・スロビキンがプリゴジンの反乱を支援した可能性を調べているという。
プリゴジンは26日に公開した音声メッセージで、モスクワに向けて部隊を進めたのは、「プロとは言えない行動」によっていくつもの過ちを犯した者らに責任を負わせるためだったと重ねて主張した。
(forbes.com 原文)