ビジネス

2023.07.04 16:30

薬局向けSaaSから医療を変えるプラットフォーマーへ

Forbes JAPAN編集部
福島:今回のシリーズCで3回目の出資になりますが、最初にお会いした創業時のタイミングでは、GCP側にシード投資をするプログラムがなかったので、個人的な気持ちとしては実質4回目。GCPとしても過去ファンドに続き22年に新設した7号ファンドからも大きく投資しており、日本を代表する企業になると確信しています。初回投資のころからカケハシはSaaSに留まる会社ではなくプラットフォーマーになると思っていました。いまは明確にステージが変わって、薬局を通じたヘルスケアのハブに本当になれるのかというチャレンジになってきている認識です。最大限の応援をしていきたい。

中尾:これまでの苦労と変遷をすべて共有している福島さんに、そこまで信じてもらえることはすごくありがたい。それに加えて、GCPさんのもっているアセットは魅力的。日本のヘルスケア系スタートアップが目指す終着点は、医療情報のシームレスな連携や、医療を通じてどう患者さんに安心感を提供できるのか、 医療費を低減できるのかという社会課題の解決に帰着してきます。GCPさんのコミュニティに属している同じ志をもった起業家たちと、新しい医療のあり方や、医療体験をつくる仲間関係を構築していける。

福島:いろんなヘルスケアのスタートアップがありますが、製薬会社や医療機関、薬局など、それぞれに対して個別にアプローチするだけでは世の中の変化は限定的。そこに取り組むプレイヤーたちで全面的に同じ方向を向いて活動することが、規制改革や世の中のトレンドをつくるという意味で非常に重要です。そのなかでも、カケハシには、SaaSの枠組みを超えたプラットフォーマーになってほしいですし、本当にそうなるだろうと確信しています。


ふくしま・さとし◎グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)パートナー。ドイツ証券の投資銀行統括本部にてM&Aアドバイザリーおよび資金調達業務に従事した後、2014年4月にGCPに入社。東京大学経済学部卒。(写真左)

なかがわ・たかし◎東京大学法学部卒。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て2016年にカケハシを共同創業。(同中) 

なかお・ゆたか◎医療従事者の家系で育ち、武田薬品工業でMRとして活躍後、2016年にカケハシを共同創業。(同右)

文=眞鍋 武 写真=平岩 亨

タグ:

連載

私がこの起業家に投資した理由

ForbesBrandVoice

人気記事