アレアは、6月27日に中国の天津で開幕した世界経済フォーラムの会場で、「香港は、デジタル資産市場とステーブルコインの重要な中心地としての地位を確立しようとしている」と、ブルームバーグの取材に語り、アジアが同社にとって「巨大な重点地域」であると述べた。「私たちは、新興市場におけるデジタルドルへの莫大な需要を目の当たりにしており、アジアはまさにその中心だ」と彼は続けた。
中国の特別行政区である香港は今月、ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨の個人取引を解禁するための新たなライセンス制度を始動した。この動きは、米国当局が暗号資産の取り締まりを強化し、業界大手が海外に新たな拠点を見つけようと躍起になっている中でのことだ。
「香港で今、起きていることは、最終的にこの市場の中国での成長の予兆になるかもしれない」とアレアは述べている。
25日には、香港最大の銀行であるHSBC香港がビットコインとイーサリアムのETFを顧客に提供し始めたというリーク情報が報じられた。「この動きは、香港の投資家が暗号資産に触れる機会を拡大する」と、地元ジャーナリストのコリン・ウーは、リーク画像とともにツイッターに投稿した。
このニュースは、米国証券取引委員会(SEC)が、世界最大の資産運用会社であるBlackRock(ブラックロック)からの申請を受けて、スポット(現物)のビットコインをベースとしたETFを承認するよう新たな圧力にさらされている中で報じられた。
SECはこれまで、このような申請をすべて拒否しており、国内の多くのこの分野の企業と対立し、最大手の取引所であるコインベースなどが、未登録証券の取り引きを行っていると非難している。
一方、デジタル資産の保護会社Coincover(コインカバー)のディレクター、キャサリン・ウーラーは、「最近のSECの発表にも関わらず、この市場は著しく回復しており、ビットコインは先週13%上昇した」とフォーブスに寄せたコメントで述べている。
「ビットコインの価格は、直近の30日間で約2万5000ドル(約360万円)から3万1000ドル(約450万円)付近にまで急騰している。長期保有者にとって、規制当局からの悪いニュースは珍しいことではなく、米国は真のグローバル資産にとって小さな市場に過ぎない。デジタル資産に対する適切な保護と規制の枠組みが多くの国で確立されつつあり、主要なコインは通常運転のテリトリーに入っている」とウーラーは指摘した。
(forbes.com 原文)