しかし、UBSのアナリストが6月26日に発表したメモによると、ピックルボールは、医療サービスを利用する人口の増加につながる怪我の主要な原因になる可能性があるといい、米国人は今年、ピックルボールによる怪我に関連する費用に2億5000万ドル(約360億円)から5億ドル(約720億円)を費やすかもしれないという。
UBSによると、このスポーツの競技人口は今年、2230万人に達すると予想され、その約3分の1をシニア層が占める見通しという。また、ピックルボールのプレーヤーの半数近くが年間10万ドル(約1400万円)以上の収入を得ており、所得が高い傾向にある。
さらに、このスポーツによる怪我のデータを調査したところ、60歳以上の怪我がここ数年急速に増加しており、ピックルボールが高齢者にとってますます重要な怪我の原因となっていることが示された。
「一般的に、スポーツは健康に良いと考えられているが、今日の高齢者の何でもできるという考え方は、スポーツ障害などの大きなリスクをもたらす可能性があり、整形外科的処置の増加につながる」と、UBSのレポートは述べている。
6月中旬に、メディケアに加入している高齢者が膝や腰の故障のような緊急性のない問題で手術を受けるケースが増えていることが報告されて以来、ヘルスケア分野の投資家たちは、何がこの増加を引き起こしているのかを突き止めようとしてきた。
そこでUBSは、特にシニアの間で近年人気が急上昇しているピックルボールに注目した。UBSはピックルボールが「シニア層の幅広いトレンドの縮図であり、パンデミックからの回復の段階で大きな影響を与える可能性がある」と指摘した。
スポーツ&フィットネス産業協会が発表したピックルボールに関するレポートでは、2020年から2022年にかけてこのスポーツの参加者が113.1%増加することが示されていた。また、スポーツイラストレイテッド誌は昨年12月、このスポーツを「米国で最も急成長しているスポーツ」に位置づけた。
2019年にJournal of Emergency Medicine誌に掲載されたレポートによると、ピックルボールによる怪我は年間約1万9000件で、その90%が50歳以上の人々の怪我だと推定されていた。
(forbes.com 原文)