Pixel Foldは「Androidタブレット」としても多彩な使い方ができるデバイスだ。本体をスタンドに立てて、BluetoothキーボードとマウスをつなぐとGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなど、ビジネス系アプリによるファイル作成がスムーズにこなせた。画面を分割表示にすると2つのアプリによるマルチタスクが快適だ。筆者の場合、片側にPixelの音声文字起こしアプリ「レコーダー」を起ち上げて、もう片側のエディタアプリでインタビューをメモに残す使い方が仕事の生産性向上に直結した。
Bluetooth対応のキーボードやマウスをペアリング。Pixel Foldが5G通信に常時接続ができる可搬性の高いワークステーションに
5G対応のPixel Foldは常時インターネットに接続できるデバイスなので、作成したドキュメントファイルをすぐさまGoogleドライブにバックアップしながら作業を続けられる。さらに本体はIPX8相当の防水対応だ。同じく防水仕様のワイヤレスキーボードを揃えれば、バスタイムにくつろぎながら仕事ができてしまう。
インパクトのあるデバイスで感じるグーグルの「本気」
筆者は今回のレビューのためにPixel Foldを1週間ほど取材した。とても刺激的で実用性にも富んだデバイスであることを実感したが、25万円という価格に見合う価値はあるのだろうか? その答えを見つけるためには、グーグルがシリーズの最上位モデルであるPixel 7 Proをすでに展開しながら、さらにPixel Foldをラインナップに加える意図を読み解く必要がある。グーグルは2018年に日本でもPixelシリーズのスマホを発売した。以来、北米と日本ではシリーズの販売が好調に推移しているともグーグルは説いている。でも一方で日本のスマホ市場はiPhoneのシェア率が依然50%を超えているといわれる。Android OSを採用するスマホはグーグルのPixelシリーズだけではなく、残りのシェアを多数メーカーのAndroidスマホで分け合っているのが現状だ。