自然言語処理(NLP)の権威であるリチャード・ソーシャー(Richard Socher)は、検索エンジン市場で93%のシェアを持つグーグルの一極支配に挑むため、2020年にYou.comを設立した。彼は最近のインタビューで、グーグルがユーザーを自社のサイトやアプリケーションの中に閉じ込めている今こそ、新たな検索体験を提供する絶好のタイミングだと考えたと述べている。You.comのユーザーは検索結果をパーソナライズしたり、好みのソースを決めることができるほか、利便性を保ちながらプライバシーを強化することができる。
ソーシャーは昨年12月、You.comをアプリ開発者に開放し、検索エンジンに新たな機能を追加した。これには、天気予報アプリのように広く利用されているアプリや、大手のウェブフォーラムの情報を要約したカスタムアプリ、執筆やコーディング、画像作成を支援する新しいジェネレーティブAIアプリなどが含まれる。新生You.comは、ユーザーのデジタルライフを管理するためのオープンなダッシュボードだと言える。
今回のサービスのリリース時期は、You.comが設立された時以上にタイミングが良かったとソーシャーは語る。ChatGPTのリリースによって人々の会話型ウェブ検索への関心や認識が爆発的に高まり、ユーザーは検索という習慣を断ち切る準備ができている。
「当社のサービスのユーザー数は、過去数カ月で数十万人から数百万人に増加した」と、彼は述べている。Chromeでナビゲーションバーのデフォルト検索エンジンをYou.comに変更する拡張機能をインストールした人の数は25万人に達している。