クライナー・パーキンスのパートナーであるエヴェレット・ランドルによると、同社は動画コミュニケーション領域に積極的に投資しており、これまでにAI動画スタートアップ「Synthesia」や、動画録画プラットフォーム「Loom」に出資しているという。
Captionsの共同創業者でCEOのガウラブ・ミスラ(Gaurav Misra)は、2016年から2021年までスナップでデザインエンジニアリングチームを率いた経歴を持ち、その時の経験をもとにCaptionの事業モデルを考案したという。彼は、2020年にスナップを辞め、ゴールドマン・サックスを退職した元同僚のドワイト・チャーチル(Dwight Churchill)と共同で同社を創業した。
ミスラによると、これまでに約300万人のクリエイターがCaptionsを用いてキャプションの自動生成や編集を行っているという。作成された動画のカテゴリーは、ゴルフや不動産、航空など多岐に渡る。DAU(デイリー・アクティブ・ユーザー)は約10万人で、毎月約100万本の動画がCaptions上で作成されている。
しかし、ニューヨーク本拠のCaptionsは、大手企業との戦いに直面している。バイトダンスが提供する動画編集アプリ「CapCut」はアクティブユーザー数が2億人に達したとされ、アドビは独自の生成AI「Firefly」で動画編集機能を提供している。スタートアップでは、AIベースの動画・音声編集を手がける「Descript」がベンチャーキャピタルから数百万ドルを調達している。
ミスラによると、Captionsが他の動画編集ソフトと異なるのは、クリエイターが直接カメラに向かって話すトーキングビデオの編集に特化している点だという。「動画編集ツールの大半は、フィルターや色の補正など動画を美しくする機能に重点を置いている。一方、我々は視聴者にアイデアや体験をより効果的に伝えることに重点を置いている」と彼は語った。