教育

2023.06.24 10:30

幸せな子は「マナー」を知っている?専門家が親に勧めること

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世の中には最近「礼儀知らず」が増加しているようだ。SNS上でのケンカ、教室でのいじめ、空港職員に対する身体的な攻撃、車での通勤途中に逆上する「ロードレイジ」、スーパーマーケットの店内で吐かれる暴言、そうした行為はほとんどどこでも、頻繁にみられる。

専門家によると、こうしたあからさまな「無礼」は、加害者と被害者の双方から「自分を尊重する気持ち」を奪う。不安障害やうつ病、その他のメンタルヘルスの問題の原因にもなり得るという。

ハーバード大学医学部精神医学科で講師を務めるジョセフ・シュランド医師は「人は無礼な態度を取られれば、相手に対して同じ態度を取るものです」と指摘する。

いま世界で起きていることの大半は「失われたマナーの力」を取り戻すこと、互いに対する思いやりと理解をいま以上に示すことによって、正すことができるという。

シュランド医師は、こう問いかけている──「敬意をもって接してくる人に対して、最期に腹を立てたのはいつですか?」

「子どものうち」に学ぶことが重要

サンディエゴを拠点とするエチケットの専門家、マリアンヌ・パーカーは、世界は「礼節の危機」にあると指摘する。

「子どもたちはまず、エチケットや好ましい振る舞いを家庭で学びます」「ですが、親がこれらに関する知識を子どもに授けることは、ますます難しくなっています。誰もがあまりに忙しく、さらに(学位や資格など、客観的評価が可能な)ハードスキルばかりが重視されているためです」

こうしたパーカーの意見には、マナーコンサルタントのジョディ・R・R・スミスも同意する。多くの場合、マナーは家庭内で学び、身につけるのがベストだが、そのための「技術」の伝承がいま「危機に瀕している」というのだ。

とはいえ、その伝承のための技術はまだ、完全に失われてしまったわけではない。両氏はともに、この状況を改善することは可能だとしている。スミスは、忙しい日常のなかでも親は何とか時間を作り、子どもに「求められる振る舞い」を教えるべきだと述べている。
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編集=木内涼子

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