沿岸警備隊によると、同日午前、遠隔操作の機材によって、タイタニック号の船首から500メートルほどの場所で破片が見つかり、タイタンの外殻の一部が含まれていることが確認された。
米海軍で救難オペレーションを統括するポール・ハンキンズは記者会見で、タイタンの先端部や外側の耐圧殻の前部を含む破片群がまず見つかったと説明し、「壊滅的な事象があったという最初の兆候」だと語った。その後、耐圧殻の後部を含む2つ目の破片群が発見されたという。
沿岸警備隊はこれらの破片から、タイタンの耐圧殻が「壊滅的に失われた」とみて矛盾がないと結論づけた。
オーシャンゲート社は、乗客らを「たぐいまれな冒険心と世界の海の探検や保護への深い情熱を分かち合った真の探検家」とたたえ、「探検家のコミュニティー全体にとってたいへん悲しい時になった」と悼んだ。
沿岸警備隊は今後24時間のうちに、捜索にあたっている船9隻の一部を引き揚げるが、遠隔操作の機材による海底の捜索は継続するとしている。
タイタンには、オーシャンゲート社の共同創業者であるストックトン・ラッシュ最高経営責任者(CEO)が操縦士として乗り込んでいたほか、英実業家のハミッシュ・ハーディング、パキスタンの実業家シャーザダ・ダウード(49)と息子のスルマン(19)、フランスのダイバーでタイタニック研究者のポールアンリ・ナルジョレ(77)の4人が乗っていた。
タイタンは18日朝、海底に眠るタイタニック号の残骸に向けて潜水を開始してから約1時間45分後に母船と連絡がとれなくなった。中に積み込まれていた酸素は約96時間分とみられ、22日朝にその時間に達していた。これまで沿岸警備隊を中心に、オーシャンゲート社やカナダの沿岸警備隊、フランスの調査船、ノルウェーの多目的船舶、米海軍なども協力して捜索が続けられてきた。
(forbes.com 原文)