北米

2023.06.23 11:30

巨大カタツムリがフロリダでまた大量発生、髄膜炎伝染の恐れ

この巨大カタツムリはフロリダ州で過去2回絶滅宣言されている。1996年に初めてマイアミに出現し、1973年までに1万8000匹以上のカタツムリと卵が処分された。2011年にブロワード郡とマイアミ郡で再び発見されたが2021年に完全に絶滅した。10年におよぶ戦いで、16万匹が処分された。州当局は昨年夏、少なくとも1匹の発見が確認された後、タンパ北のパスコ郡で検疫措置が取られた。その結果、約1000匹のカタツムリが捕獲された。

このカタツムリ種は繁殖が早く、1匹が年間最大1200個の卵を産む。非常に侵襲的であり、世界で最も有害なカタツムリ種の1つだ。その範囲はキュウリ、豆類、観賞植物、メロンから樹皮まで約500種類の植物を食べ、さらに建築物のスタッコ、塗料、しっくいなども食べる。アフリカマイマイは東アフリカ原産で、温暖、熱帯地域で繁殖する。

寄生性髄膜炎は細菌性あるいはウイルス性の髄膜炎と比べて稀だが、致死性があり脳と脊髄周辺に炎症を起こす。疾病予防管理センターによると、伝染は汚染した動物あるいは野菜の摂取から起きるのが一般的で、人から人への感染は稀だ。この寄生虫はヒトに対し、深刻な中枢神経系障害や胃腸障害および寄生性髄膜炎の稀な症状である好酸性髄膜炎(EM)を引き起こすことがある。

寄生性髄膜炎の症状には悪心、嘔吐、首の凝り、頭痛、錯乱、目の光過敏症などがある。EM患者は、軽度の発熱、皮膚のうずきや痛み、衰弱、麻痺、昏睡、運動障害を経験し、死に至ることもある。EMに特定の治療法はないが、頭痛に対する鎮痛剤など、投薬により症状を緩和することはできる。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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