米国ツアーのチケットは、販売開始当初に49ドルから499ドルだったが、これらのチケットの多くは転売され、ファンははるかに高い金額を支払うことになった。CNNによると、アトランタ公演のフロア席のチケットは最高3万5000ドル(約496万円)、アリゾナ州のグレンデールのチケットも1万7000ドルの値がついたという。
2024年の海外公演のチケットはまだ発売されていないが、スウィフトが訪れる多くの国ではチケットの転売規制のため、2次流通市場で法外な値がつくことはなさそうだ。
合計7公演を行うポーランド、イタリア、アイルランド、フランスでは、営利目的のチケット転売が禁止されている。4公演を行う日本でも2020年の東京オリンピックの前に、チケットを定価よりも高い価格で転売することを禁じるチケット不正転売禁止法が施行された。
欧州連合(EU)は、昨年末にデジタルサービス法を承認し、チケット転売業者に身分証明書と連絡先の提出を義務づけるなどの施策で、転売業者による価格操作を防いでいる。また、3回の公演を行うオーストラリアのシドニーでは、転売に関する法律により、チケットを元の値段の10%以上で転売する行為が禁止されている。
来年の海外ツアーのチケットの価格は国によって異なるが、すでにアナウンス済みのメキシコと南米のチケットは、米国よりも大幅に安いことがわかっている。今年後半のアルゼンチン公演のチケットは7万5000ペソ(約1万9000円)と報じられている(日本公演はSS席が3万円)。
スウィフトは現在、52公演の全米ツアーを開催中だが、このツアーのチケットの販売は、昨年11月の先行販売中にチケットマスターのサイトがクラッシュしたことで、一部のファンが訴訟を起こすなどの大混乱に陥った。
この騒動を受けて、議会では公聴会が開かれ、チケットマスターの親会社のライブ・ネイションのジョー・バーチ社長は、サイトの停止が「産業ダフ屋」と「サイバー攻撃」によるものだと語った。この公聴会以来、議員やバイデン大統領は、チケット価格の高騰を防ぎ、コンサートを米国人にとってより手頃で公平なものにすることへの支持を表明している。
(forbes.com 原文)