北米

2023.06.22 11:30

大幅下落する米国のガソリン価格、今後も下落が続くとの予測

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ガソリン需要が夏に向けてじわじわと高まり始めているにもかかわらず、米国のガソリン価格は、過去最高を記録した2022年6月と比べると1ガロン(約3.785リットル)あたり1.50ドル(約213円)近く下落している。石油価格の下落が続いていることから、ガソリン価格が前年のピークに近い水準まで達することはないと専門家は見ている。
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全米自動車協会(AAA)のデータによれば、米国の平均ガソリン価格は6月14日、1ガロンあたり3.59ドル(約508円)に下落した。これは、前月の3.69ドル(約523円)よりも低く、史上最高を記録した前年6月の5.02ドル(約711円)と比べるとかなり低い。

ガソリン価格の下落は、原油価格の下落と一致している。国際的な価格指標であるブレント原油価格は2023年に7.27%下落し、1バレルあたり73.30ドル(約1万385円)となった。米国の価格指標であるウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は、同じ時期に10%以上低い69.23ドル(約9810円)まで下がった。AAAの広報担当者アンドリュー・グロスいわく「ガソリン価格がどれだけ上昇しても中和しそうな」下落だ。

一方、米エネルギー情報局のデータによれば、米国のガソリン需要は、6月3日までの1週間で1日あたり922万ガロンとわずかな増加にとどまっている。前週の910万ガロンからはわずかに増加しているが、前月と比べると若干減少している。
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調査会社GasBuddy(ガスバディー)の石油分析担当責任者パトリック・デ・ハーンは、今秋に米国平均の価格が1ガロンあたり3ドルを下回るとの「確信が生まれつつある」と述べている。デ・ハーンは今春、ガソリン価格が近いうちに「おそるべき5ドルの大台」に達する可能性は「極めて低い」と予想していた。

2022年初め以降、原油価格はジェットコースターさながらに変動してきた。ロシアによるウクライナ侵攻に続く春に記録的な水準まで高騰した後、1年後には15カ月ぶりの安値まで下落した。

原油価格は6月上旬、産油大国のサウジアラビアが日量100万バレルの減産を決定したことを受け、2.5%上昇した。これにより、ブレント原油先物指数が1バレルあたり78ドル(約1万1050円)、WTIが73.60ドル(約1万430円)に押し上げられたが、その後、いずれの指標も落ちつき、それぞれ73.20ドル(約1万370円)と69.15ドル(約9800円)になっている。

OPECプラス加盟国が2023年4月に追加減産を発表した際には、ブレント原油指数が、2カ月ぶりの高値となる1バレルあたり84.19ドル(約1万1930円)に上昇し、国際エネルギー市場が大きく揺れ動いた。

AAAによれば、原油価格の急激な変動は、ガソリン価格の変動と一致する傾向があり、ドライバーがガソリンスタンドで払う価格のおよそ56%を原油価格が占めているという。

ガソリン価格が冷めてきているにもかかわらず、米国の9つの州では、まだガソリン価格が1ガロンあたり平均4ドル超にとどまっている。価格が最も高いのはカリフォルニア州だ。税金の高さと、クリーンだが高価な夏用混合燃料のあわせ技により、同州は常にガソリン価格が最も高い。

AAAによれば、カリフォルニア州の1ガロンあたりの平均価格は4.89ドル(約693円)で、次いでワシントン州(4.84ドル、約686円)、ハワイ州(4.74ドル、約672円)、オレゴン州(4.48ドル、約635円)となっている。

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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