マスクは日本時間21日午後のツイートで、シスジェンダーとシスの2単語は「このプラットフォームでは中傷とみなされる」とし、特定の人物を標的としたハラスメント(嫌がらせ)を繰り返すアカウントは「最低でも一時凍結」処分が科されると警告した。
このツイートは、あるユーザーの投稿への返信として行われた。このユーザーは、前日のツイートでシスという言葉を拒絶し、自分はシスと呼ばれたくないと表明したところ、トランスジェンダーの活動家から嫌がらせを受けたと主張していた。
ツイッターのヘイト行為に関するポリシーを説明したページでは、中傷とみなされる言葉の具体例は示されていないが「他者を繰り返し中傷すること」や「守られるべき特定のカテゴリーの人々を貶めたり、そのような人々に対する否定的または有害な偏見を助長したりすること」を目的とした投稿の禁止が記されている。
マスクは、ツイッターがいつからシスジェンダーとシスを中傷とみなすようになったのかを明らかにしていない。これらの言葉をめぐり、実際にアカウント凍結処分が下されたかどうかも不明だ。
「cisgender」は2015年からオックスフォード英語辞典に掲載されており「個人的アイデンティティーの感覚が、出生時に割り当てられた性別と一致する人を指す」と定義されている。オンライン辞書「Dictionary.com」の定義もこれと似ており「性自認が出生時に割り当てられた性別と一致する人を指す、あるいはそうした人に関連する」言葉とされる。いずれの辞書にも、中傷や軽蔑の言葉であるという記述はない。
マスクは昨年にツイッターを買収して以降、同サイトを「表現の自由」が守られる場所としてアピールする一方で、自分の意見と合わないコンテンツに関する場当たり的なポリシー変更を繰り返している。また、性自認の問題に関する発言で、何度も物議を醸してきた。
ツイッターは4月、ヘイト行為に関するポリシーページを更新し、禁止事項から「意図的にトランスジェンダー個人の性別を間違えたり、性別移行前の名前で呼ぶこと」を削除。マスクは今月、保守派の政治評論家マット・ウォルシュ制作のドキュメンタリー映画『What Is A Woman?(女性とは何か?)』をツイッター上でシェアし「すべての保護者がこれを見るべきだ」とコメントした。この映画は多くの人からトランス嫌悪的と批判されている。
(forbes.com 原文)