SBGの2023年3月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益がマイナス9701億円で、2期連続の赤字。SBG傘下でAI企業などに投資するビジョン・ファンドが、世界的な株安で業績悪化し、4兆3083億円の赤字を出していた。
こうしたなか新規の投資を控えることで手元資金は5兆円を超え、孫氏は「3年前には現預金がほとんどなかった。守りは十分にできたので反転攻勢の時期に入った」とコメントした。
そのうえで、最大の関心事はAIであり「グループをあげてAI革命の先端を担う」と発言。水面下で事業準備を進めているという。その中核はSBG傘下の英半導体設計企業「アーム」が担い「(同社の半導体チップを使い)AIが人類の未来に与える、その影響の根源になるような発明や発案を進めている」とした。
社内では、生成AIを活用した業務への役立て方や新サービスを考案するコンテストを開催。10日間で5.2万件の応募があり、1位から11位までを発表する社内大会が今日行われる予定だ。優勝賞金は1000万円で3000位まで賞金を用意している。
孫氏自身もChatGPTを活用し、毎日「知恵の壁打ち」をしているという。「大赤字を出して恥ずかしくて引っ込んでいるのではないかという話もありますが、(AI事業の準備で)大変忙しくしているところ」と主張した。