獲った魚の3割はフードロス、漁師を救うサブスクの正体

プレスリリースより

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漁港に水揚げされてもワケあって市場に出回らない魚「未利用魚」は、総水揚げ量の30パーセントにものぼります。まさにフードロス。お魚さんがかわいそうです。そこで2年前、未利用魚をおいしく調理して家庭に届けるサブスクリプションサービス「フィシュル」が登場しました。会員数はぐんぐん伸びて、今では申し込んでから2カ月待ちという人気ぶりです。

日本近海でとれる魚は約3800種類あるものの、一般の食卓にのぼるのはそのうちの20種類程度。総水揚げ量の30〜40パーセントは食用として流通せず行き場を失い、家畜の飼料などとしてタダ同然で取引されています。なかにはおいしい魚もたくさんあるのですが、現在の流通形式では数が揃わないなどの理由で出荷が難しく、地元でしか食べられない幻の魚となっています。また、水揚げの大半が未利用魚で採算がとれず、頭を抱える漁師も少なくありません。

そうした魚を積極的に利用することで、特定の魚の乱獲を防ぎ、漁業を支え、さらには利益率の低い流通の形を改善しようと始まったのが「フィシュル」です。福岡を拠点に完全な自社管理のもと、小呂島、西ノ浦、玄海島、志賀島などで水揚げされた天然魚を使い、調味料までこだわった無添加の調理法と急速冷凍技術で、幻の魚が家庭で味わえます。サービス開始から2年間で会員数は急増し、現在は9500人に達しています。

そこでベンナーズは、新たに水産加工業者のパートナーを募集することにしました。特定の条件を満たした業者には、フィシュルのノウハウと技術を伝えて共創するとのことで、未利用魚を活用した新しい水産ビジネスを全国に広げようというのです。そうなれば、海洋環境の保全と漁業の立て直しも全国に広がることになります。なにより、珍しいおいしい魚が家に居ながらにして食べられるのは有り難いことですね。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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