アワードの発表はパリ郊外にあるル・ブルジェ空港の航空宇宙博物館で行われ、シンガポール航空が5度目の最優秀航空会社に輝いた。昨年ランキング1位だったカタール航空は2位となった。
続いて3位に全日空、4位にドバイを拠点とするエミレーツ航空、5位に日本航空がランクインした。
上位10社のうち、アジアと中東以外の地域の航空会社は6位のトルコ航空と7位のエールフランス航空のみ。米国の航空会社での最上位はデルタ航空の20位で、北米の航空会社で上位50社にランクインしたのは38位のエア・カナダ、49位のユナイテッド航空だった。
シンガポール航空の最高経営責任者ゴー・チュン・フォンは「社員の不屈の精神を証明するもの」と述べて受賞を喜んだ。また、受賞は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによるダメージから業界が立ち直るためのマーケティングツールとしても有効だ。
ワールド・エアライン・アワードは乗客へのオンライン調査の結果に基づいており、航空業界格付け会社Skytrax(スカイトラックス)が世界中の航空会社325社超を対象に2022年9月から今年5月にかけて実施した。
ベストキャビンクラス賞もアジアと中東の航空会社が独占し、ファーストクラス部門ではシンガポール航空、ビジネスクラス部門ではカタール航空、エコノミークラス部門では日本航空がそれぞれ1位に輝いた。
また、台湾のエバー航空は、1991年に「エバーグリーンクラス」という名称で同社が初めて提供を開始したプレミアムエコノミークラス部門で最優秀賞を獲得した。
その他の賞では、マレーシアのエアアジアが2010年以来毎年受賞しているベスト・ローコスト・エアライン賞を再び受賞。また、シンガポール航空の子会社であるスクートが最も優れた長距離・格安の航空会社に贈られる賞を、バンコクエアウェイズが最も優れた地域航空会社に贈られる賞を受賞した。
昨年76位だったクウェート航空は今年42位となり、最も順位を上げた航空会社に贈られる賞を受賞した。
地域別の部門以外でアジアと中東の航空会社の独占が崩れたのはごく一部にとどまった。エア・カナダが新設の「世界で最も家族連れに優しい航空会社」に選ばれ、同じくカナダの航空会社であるエア・トランザットはベスト・レジャー・エアライン賞を獲得した。
地域別の最優秀航空会社は、北米がデルタ航空、欧州がトルコ航空、南米がラタム航空、アフリカがエチオピア航空、オーストラリア・太平洋地域がフィジー・エアウェイズだった。
パリ航空ショーでのビジネス取引もアジアと中東の航空会社が中心となっている。初日の6月19日には、インドの格安航空会社インディゴがエアバスにA320を500機発注し、史上最大の航空機取引となった。また同日、サウジアラビアの野心的な新航空会社リヤド・エアが国際線デビューを果たした。
翌6月20日にはエアインディアがエアバスに250機、ボーイングに220機という、これまた大型の発注を完了した。
(forbes.com 原文)