北米

2023.06.20 17:00

ミリオネア起業家が体験した、あのNASDAQ打鐘セレモニーの裏側とは?

「打鐘セレモニーが終わると、全員でスタジオ出口から退出し、屋外ディスプレイが見える専用のセキュリティエリアに移動します。そこで、つい先程、専属カメラマンによって撮影された私達の公式写真や映像が再放送され、再び公式記念写真撮影へと入るのです。タイムズスクエアに行き交う人々のど真ん中でド派手な演出に、『ああ、夢にまで見たNASDAQ上場を果たしたんだ!』という感慨深さが込み上げてきました。東証の重々しい空気とは全然違い、シャンパンで乾杯して、プロデューサーや演出家から気軽に声をかけられる空間にアメリカの持つ懐の深さを感じたものです。何より、誰もが知っているタイムズスクエアのあの大画面に、無料で私達の企業ロゴや当日の映像や公式写真が次々と放映された瞬間、感動と感激が最高潮になりました!足早に行き来するニューヨーカー達がディスプレイを見上げるなか、夢見心地な気分のまま自分達が映る風景をスマホで撮影したりして楽しみました」


体験した人しか知り得ないことであるが、専属カメラマンによってその日撮影された写真素材は、全てQRコードでダウンロード可能。また、当日のオープニングベルとクロージングベルは、必ず全米で生放送される醍醐味も。映像は、NASDAQ専用チャンネルの他、4大経済TVチャンネルであるBloomberg、CNBC、FOX、BNNの朝の生放送番組内に必ず自動映像挿入される仕組みもエンターテイメント性溢れる「おもてなし」といえるだろう。

起業家をヒーローとして称え、次世代へ継承する文化

思いがけない演出は、上場企業のCEOスピーチ前に、会場に連れて来たCEOの子供達全員がスピーチすることだったという。全米で生放送されるハレの舞台でビジネスマンでない子供がスピーチする機会は、なかなかお目にかかれない体験。自分の名前、何という会社のCEOの子供か、今どんな気持ちか、をスピーチする。

「子供達のスピーチは、学校を休んでNASDAQ本社に来たのだから、通っている学校の仲間が見ていて緊張もすることでしょう。でもそれより勝る感情は、自分の父親が上場した栄誉だと思います。この出来事が子供達の心に強烈に残り、自分もいつか起業して上場しようと思ってくれたら本望です。この演出は、起業家をヒーローとして称えて、次世代の起業家を目指す若者への指針になると確信しました」
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文=中村麻美

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