東証とは全く異なるアメリカらしいエンタメ性の高いNASDAQのセレモニー。その裏側を赤裸々に語るリポートと、その先に見える未来の起業家を輩出するNASDAQの演出とは?
SPACとSPAMの勘違いからサクセスストーリーは始まった!
千葉功太郎は、慶應大学環境情報学部卒業後、「リクルート」に入社し、「サイバード」や「ケイ・ラボラトリー」を経て、2009年、オンラインゲームの開発・運営会社「コロプラ」に参画したことから、サクセスストーリーが始まる。2012年には、「コロプラ」を東証マザーズIPOから2014年には東証一部上場に押し上げた後、次なるステージに向かうべく、あっさりと退社し、エンジェル投資家として活動をスタートする。スタートアップ60社以上、ベンチャーキャピタル55ファンド以上に個人投資するなか、2017年、ドローン特化型のベンチャーキャピタル「DRONE FUND」を設立する。また、起業家コミュニティ「千葉道場(R)」の運営を通じて新たな産業の創造にフルコミットする日々。プライベートでは、堀江貴文氏らと共に国内第一号となる国産旅客機を共同購入し、自らパイロットライセンスを取得するなど、枠にとらわれず公私共に活動の場を広げている。そんな千葉が日本とアメリカの2市場で、創業者として鐘を鳴らした。
「PONO CapitalのグループCEOであるDustin Shindoと私は、彼が起業家、私がエンジェル投資家という関係でスタートしました。Dustinと私がハワイベースということもあり、よくハワイで食事などをする仲に。2021年の春に彼と友人たちといつものように食事をしながら「CATAN」というボードゲームをしていた時、『SPAC』について教えてもらいました。当時は、恥ずかしながら『SPAC』を知らなかったので最初は缶詰の『SPAM』と勘違いしていまして(笑)ハワイではスパム握りが有名です」。
「よくよく話を聞いてみると、当時アメリカで流行っている上場スキームの1つであることがわかりました。その後、Dustinと議論を重ねる中で、『SPAC』が日本の会社をアメリカで上場させる手法として有効なのではないかという結論に至り。日本と比較してアメリカの方がディープテック企業が評価されやすいのではという仮説を活かす形で、Dustinが設立するPONO Capitalに、私が株主兼取締役として初期から参画する意思決定を行った流れです」。
「その後、PONO Capital ONEは、2021年8月にIPO、PONO Capital TWOは、2022年8月にIPO、PONO Capital THREEは2023年2月にIPO、と毎年たて続けに3社がIPOしました。そして今回、TWO社とTHREE社の同時2社記念セレモニーがNASDAQで開催されたという経緯です。補足しますと、私とDustinは、PONO Capital グループのホールディングス企業(SPACではスポンサー会社と呼びます)の経営ボードをしていて、上場3社は子会社的位置付けとなっています。ニュースでしか見たことのない、あのNASDAQでの盛大な打鐘セレモニーは、私にとって生涯忘れられない体験となりました!」