ニューヨーク証券取引所に上場したこのファストカジュアル系レストランは、3億1800万ドルを調達し、今年に入ってから6番目の規模のIPOとなった。同社の上場は、レストランや食品関連の動きがほとんどない株式市場の中で明るい話題となった。
Cavaの51歳のCEOのブレット・シュルマン(Brett Schulman)は、上場直後の取材に「これは、私たちの旅の次の章の始まりだ。当社の上場には、あらゆるタイプの投資家からの大きな需要があった」と語った。
CAVAというティッカーシンボルで売り出された株は、22ドルで取引を開始し、一時47ドル以上の高値をつけた後に43ドルで取引を終えた。15日の終値べースの時価総額は売上高の10倍近くの47億ドルに達した。
ファラフェルやシャワルマなどの地中海料理にヒントを得たボウルやピタサンドを販売するこのチェーン店は、2006年に最初の共同創業者3人が「Cava Mezze」というブランド名で家族の料理を人々に提供しようと考えたことから始まった。この3人は、6歳のときからの幼馴染みだった。
ワシントンD.C.を拠点とするCavaの急成長のきっかけは、元銀行員で、全国に流通するスナックブランドの責任者を務めた経験を持つシュルマンが、2010年に4人目の共同創業者として加わり、CEOに就任したことだった。その翌年にメリーランド州に最初のチェーン店をオープンした同社は、瞬く間に米国で最も急成長しているレストランチェーンの1つとなり、毎年十数店舗を開設した。
現在は22州で260以上の店を展開するCavaの昨年の売上は5億6400万ドルを記録したが、損失も5900万ドルに膨らんだ。IPO前に累計6億5000万ドルを調達した同社は、2021年のシリーズFラウンドで、ティー・ロウ・プライスの主導で2億3000万ドルを調達し、評価額は17億ドルとされていた。
Cavaの開示資料によると、シュルマンは同社株の2.2%にあたる約200万株(上場価格で4400万ドルに相当)を保有している。
同社の上場は、この2年間で最大のレストラン関連のIPOとなり、その成果次第では、5月に上場の意向を表明したベーカリーカフェで知られるパネラブランズ(Panera Brands)などの、他のチェーン店の上場を後押しすることになるかもしれない。