気候・環境

2023.06.20 09:00

欧州大陸、世界最速ペースで温暖化進む EU報告書

遠藤宗生

暖冬に見舞われたオーストリア・フィルツモースで、人工雪で部分的に覆われた斜面でそりに乗った子どもを引く男性。2023年1月6日撮影(Daniel Kopatsch/Getty Images)

欧州は世界で最も急速に温暖化している大陸であり、そのためにここ数年、激しい山火事や干ばつ、熱波による死亡者数が増加しているとの報告書が19日、欧州連合(EU)の気象情報機関により発表された。

最新の「欧州気候の現状に関する報告書」によると、産業革命前からの気温上昇幅は世界平均が1.2度だが、欧州ではその約2倍の2.3度となっている。

2022年、欧州の多くの地域が、春から夏にかけて干ばつや記録的な暑さに見舞われた。チェコ、フランス、ポルトガル、スロベニア、スペイン、英国では森林火災が発生し、アルプスの氷河の融解も記録的水準となった。

報告書によると、2022年の欧州では、暖かい日の数が平年よりも30%多く、12カ月中7カ月で気温が平年より7~10度高かった。英国では7月、観測史上初めて気温が40度に達している。

報告書は、高温と干ばつの増加により、森林火災がより長い時間、より高温で燃え続けることになると指摘している。また、本来なら雪が多い月に雨が降ると、昨年秋にグリーンランドで見られたように、氷が溶けて洪水が増加する可能性がある。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太・編集=遠藤宗生

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