とはいえ、不況がどのくらい目前に迫っているのかは、いまもってまったくわかっていない。景気後退は起こるのか、起こるとすればいつなのか。こうした不透明感を受けて、不況に強いキャリアを構築するためにはどうすればいいのかと、悩む労働者が増えている。
忘れてならないのは、絶対に保証された仕事など、1つもないことだ。景気後退のさなかであればなおさらだ。とはいえ、きちんと対策を講じれば、自分のキャリアを守ることはできる。
最悪の事態に備えると同時に、最高のキャリアへとつなげられる5つの対策を説明しよう。
自分に投資する
自己投資ほど有益な投資はないと言われている。必要とされているスキルを身に着けるべく努力すれば、不安定な労働市場で競争力を維持することができる。また、不況が起こっても絶対に負けないスキルなら、職種や業界を問わず、さまざまなところで活用できるだろう。不況に強いスキルには、コミュニケーション力、適応力、リーダーシップ力などがある。・コミュニケーション力
自分の意見や思いを明確かつ効果的に伝えられる能力は、どんな業界であろうと、欠かせないスキルだ。よって、文章力、対話力、フィードバックをやり取りする力を身に着けなくてはならない。職場でうまくコミュニケーションを図れるよう、人の話に積極的な姿勢で耳を傾けるアクティブリスニングを心がけ、自分の口調や、ジェスチャーなどの非言語コミュニケーションにも気を配ろう。
さらに、プレゼンテーションを積極的に引き受けて、スピーキング力を磨くようにしよう。効果的なコミュニケーション力は、不況に強いキャリアの構築に大いに役立つ。
・適応力
環境の変化に柔軟な姿勢で適応できることをアピールすれば、先の見えないときでも目標を達成できる人間だと、上司にみなしてもらえるはずだ。仕事の柔軟性を養うために、自分のコンフォートゾーン以外のプロジェクトにも挑戦しよう。また、漠然としてよくわからない状況も進んで受け入れよう。例えば、所属するチームのメンバー入れ替わりが激しいとしても、それをマイナスにとらえず、有利な面に目を向けるとよい。変化を受け入れるよう心がけていけば、経済情勢の先行きが不透明でもうまく対応できる姿勢が身に着くだろう。
・リーダーシップ力
従業員が会社を辞めるのは、仕事ではなく上司に原因があると言われる。だからこそ雇用主はみな、リーダーシップ力を磨こうと努力する。職場が急激な変化を遂げつつあることから、人の才能を引き出す能力の重要度はますます増していくだろう。人の才能を引き出す能力とはつまり、前向きで誠実な姿勢をもち、ビジョンがあり、頼りがいもあって、心の知能指数が高いということだ。リーダーシップ力を磨けば、不況に強いキャリアを構築できると同時に、昇進させるべき有力な従業員であることを雇用主にアピールもできる。